2023年12月29日金曜日 更新:

野鳥の飛翔写真に最適なミラーレス一眼カメラ ランキング

MIRRORLESS COMPARISONに「野鳥の飛翔写真に最適なミラーレス一眼カメラ」のランキングが掲載されています。

元記事

野鳥の飛翔写真は、海外ではBIF(Birds In Flight)という略語で親しまれています。
筆者のマシューさんは読者からの提案によりミラーレス一眼カメラの撮影テスト結果を数値化して公開することにしました。




 
 

更新履歴

  • 2023年12月、G9 II追加
  • 2023年10月、Z 8, Z 7II追加
  • 2023年9月、R8追加
  • 2023年7月、S5 II追加 
  • 2023年6月、α7R V追加
  • 2023年3月、X-H2、X-H2Sアップデート
  • 2023年2月、Canon EOS R6 II追加 
  • 2023年1月、Nikon Z9追加 
  • 2022年12月、Canon R7、Sony α6600追加
 
 
 

AFスコアの計算方法

  1. すべての画像をPCに転送し、使用したさまざまな設定に従ってフォルダに分けます。そして、各写真を分析して3つのラベルのいずれかを付けます。

    • ピントが合っている:シャープネスが優れており、細部まで鮮明である
    • ややソフトフォーカス:最初は問題ないように見えるが、拡大してみると完璧ではないことがわかる(ディテールの大部分はまだ認識できるが、シャープさに欠ける)
    • ピンぼけ:鳥のディテールが柔らかすぎるため、画像を拡大しないとわからない、またはピントが完全にずれている

  2. 分析が完了したら、フォルダーごとに下表の緑と青のAF合焦率を計算します。これにより、カメラがどのように機能したかだけでなく、どの設定の組み合わせが最高のスコアを出したかを知ることができます。
  3. 性能に大きな違いがある場合は、野鳥の位置 (無地または忙しい背景) に応じてAF合焦率を分けることもあります。
  4. AFスコアは、正確な設定と特定のドライブ速度で得た最高のAF合焦率を表しています。カメラで利用可能な最速の連写速度よりも、AFのパフォーマンスを優先します。

 


AFスコア:緑
 

ピントの合った画像のみ。 2 つの中で最も厳しいスコアです。


AFスコア:青
 

ピントが合った+少し柔らかい画像。 より寛大な評価です。

 

 

なぜAFスコア:青が必要か

  • ミラーレス一眼カメラのテストを開始した際に、デジタル一眼レフカメラとは対照的に、完全に焦点が合っていない画像よりも、わずかにソフトな結果が一般的であることに気付きました。この差別化を行うことで、カメラの性能と潜在的な改善点をより理解することができます。 
  • AF合焦率が90%の正確さしかなくても、画像の見栄えがよく、撮影された鳥の動きまたは光が本当に綺麗な場合は、写真を使用できる可能性があると主張することもできます。

 

 

ドライブスコア

ドライブスコアは、カメラで最も速い連写速度で撮影したときの合焦率と、1秒間の連写で「キープ」(ピントが合った画像)した枚数を示しています。ドライブスコアでは、シンプルにAFスコア:緑のみを算出しています。

 

 

BIFランキング

AFおよびドライブスコアを算出したときの撮影設定、レンズ、ファームウェア、撮影枚数などの詳細については、元記事を参照してください。

Maker
Camera
Drive Score(%)
AF Score

In-focus only(%)

AF Score

In-focus+soft(%)

ソニー

α1

94(30fps)

98

100

ニコン

Z 9

79(30fps)

96

100

ニコン

Z 8

83(30fps)

96

100

ソニー

α9/α9 II

96(20fps)

96

99

キヤノン

EOS R3

94(30fps)

94

100

ソニー

α7 IV

94(10fps)

94

99

キヤノン

EOS R6 II

93(40fps)

93

99

キヤノン

EOS R8

93(40fps)

93

99

キヤノン

EOS R6

93(20fps)

93

97

ニコン

Z 7II

77(10fps)

91

98

キヤノン

EOS R5

90(20fps)

90

99

OMDS

OM SYSTEM OM-1 Ver.1.3

85(50fps)

89

98

ソニー

α7R IV

88(10fps)

88

100

ニコン

Z 7

82(9fps)

88

96

ソニー

α7 III

81(10fps)

86

99

ニコン

Z 6

82(12fps)

86

95

ソニー

α6600

85(10fps)

85

98

ソニー

α7R V

84(10fps)

84

97

パナソニック

S5 II

71(30fps)

83

96

富士フイルム

X-H2S

82(40fps)

82

97

パナソニック

G9 II

82(60fps)

82

96

富士フイルム

X-T4

79(30fps)

81

96

キヤノン

EOS R7

80(30fps)

80

93

ソニー

α6400

77(10fps)

80

93

富士フイルム

X-H2

78(20fps)

78

95

富士フイルム

X-S10

71(30fps)

78

94

オリンパス

OM-D E-M1X

74(18fps)

74

91

ニコン

Z 50

69(11fps)

74

87

ソニー

α6500        

73(8fps)

73

97

富士フイルム

X-T3

69(30fps)

72

96

オリンパス

OM-D E-M1 Mark III

72(18fps)

72

94

オリンパス

OM-D E-M5 Mark III

72(10fps)

72

93

ソニー

α7R III

71(10fps)

71

97

オリンパス

OM-D E-M1 Mark II

66(18fps)

66

81

富士フイルム

X-T2

63(8fps)

63

87

富士フイルム

X-H1

62(8fps)

62

83

パナソニック

G9

38(20fps)

57

70

 

 

その他の重要なコメント

ソニー
  • α1およびα9/α9IIのAFスコアで使用したレンズはFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
  • α9/α9IIとFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS + TC 1.4xの組み合わせはパフォーマンスが若干低下する
  • α7 IVはα1およびα9/α9IIに肉薄する性能だがパフォーマンスに一貫性がありません
  • α7R IVとα7R IIIの最初のスコアは低かったが最新ファームとFE 200-600mm F5.6-6.3の組み合わせで向上した
  • α6600のAFスコアは80%93% 
  • α7R Vの新しいAI処理ユニットは体・頭・目を認識するが、静止画のみ
 

最新ファームにすること、レンズは「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」を組み合わせることで最高のパフォーマンスを発揮できるようです。「α7R V」の新しいAI処理ユニットは、人、動物、鳥に加え、車、電車、飛行機、昆虫と人物の姿勢を認識できるが、飛翔写真ではソニーの他機種と異なり設定に苦労した様子です。

 

 

キヤノン

  • EOS R3のAFトラッキング性能は驚異的で被写体検出は非常にインテリジェント 
  • EOS R3の視線入力は慣れが必要
  • EOS R6のAF性能はα9 IIに最も近いカメラでAF設定を最適な設定にしていない状態でも83%を下回らない
  • EOS R6IIの唯一の欠点はバッファです。RAWで40fpsでは数秒しか管理できません
  • EOS R8 が R6 II よりも劣っていると感じるのはボディのデザインです。ファインダーが小さく、フロント グリップが小さく、SD カード スロットが 1 つだけ、AF ジョイスティックがなく、バッテリーも小さい
  • EOS R7のオートフォーカスのパフォーマンスは他の例では非常に優れていますが、鳥の飛行テストでは、R7 がフルフレームの兄弟と同等ではないことがわかりました 

 

筆者はEOS R3が最も気に入った様子。EOS R6は最適な設定を見つけるまで時間を費やすことになるが最高のパフォーマンスを得ることができるお買い得なカメラ。

 

 

ニコン

  • ニコンZ 7の最初のスコアは65%85%だったが最新ファームと70-200mm f2.8 + TC-1.4xの組み合わせで88%96%と大幅に向上した 
  • ニコンD500のAFスコアは85%98%
  • ニコンZ 6はカードスロットが1つしかなくバッファが大きくありません  
  • ニコン Z9はSony A1 や Canon R3 と同じレベルです。つまり、このジャンルで購入できる最高の製品の 1 つです

 

ニコン Z9は、ネイティブの Z マウント レンズを使用していても、アダプター付きの Fマウントレンズを使用していても、AF パフォーマンスは完璧だったとのこと。

 

 

OMDS/オリンパス

  • OM-1は使用した4本のレンズで全て同じAFスコア(M.300mm F4 IS Pro、M.100-400mm F5-6.3 IS、LEICA 100-400mm F4-6.3、LEICA 200mm F2.8) 
  • OM-1はファームウェア1.2と1.3でカメラを再テストしましたが、AF パフォーマンスに大きな違いは見つかりませんでした 
  • E-M1Xは5×5グリッド以外のAFターゲットを使用するとAFスコアが大幅に低下する
  • E-M1XはVer.2.0によるBIFの性能向上はなかった
  • E-M1 Mark IIIのMC-14装着時のAFスコアは59%88%  
  • E-M1 Mark IIのAFスコアはVer.3.0以前は43%、以降は66%

 

OM-1のAFスコアはコメント欄から多くのフィードバックが寄せられた結果で撮影枚数は断トツの17,171枚(次点はZ 9の10,899枚)。電子連写(50fps)よりもメカ連写(10fps)の方が安定する結果に見えるが、筆者によると4%の差に大きな違いはなく、優れた連写速度で簡単に相殺できるとのこと。



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