2020年11月26日木曜日 更新:

OM-D E-M1X 1日体験記

オリンパスのOM-DとM.ZUIKOレンズを予約して実際に体験できる「野鳥フォトウィーク2020」の特別企画に参加して、いま話題のOM-D E-M1Xを1日体験してきました。

主な仕様

   :進化
   E-M1 Mark IIと同じ
後継機:
  • 有効画素数約2,037万画素
  • 画像処理TruePic VIII x2
  • 防滴処理防塵防滴構造
  • 手ぶれ補正7.0段
  • ファインダーアイレベル式液晶ビューファインダー、約236万ドット
  • 液  晶約104万ドット
  • シャッターメカ 1/8000〜60秒、電子 1/32000〜60秒 カスタムターゲット 4種類
  • 連  写メカ AF追従10コマ/秒、電子 AF追従18コマ/秒 インテリジェント被写体認識AF
  • 記録媒体SDカード UHS-II スロット x2
  • 電  源BLH-1 7.4V 1720mAh x2  
  • 外形寸法:144.4 x 146.8 x 75.4 mm
  • 質  量997g(SD、バッテリー含む)

 

  • GPS/フィールドセンサーシステム
  • マルチセレクター
  • 手持ちハイレゾショット
  • Wi-Fiカメラコントロール
  • USB充電・給電
     

 

基本情報

  • 製品名:ミラーレス一眼カメラ「OLYMPUS OM-D E-M1X」
  • 希望小売価格:オープン価格、初値328,530円
  • 発売日:2019年2月22日(金)


 

外観



 

ベータ版ファームウェア搭載

2020年12月3日(木)リリース予定の「鳥認識AF」のベータ版ファームウェア搭載です。事前にこの機能を試せるとは聞いていなかったので、この特別待遇はとても嬉しかったです。

おお〜✨

 

街ブラからスタート

オリンパスの無料貸出サービスで使用できる時間は、これまで2〜3時間がお約束でした。今回の丸一日カメラを借りれるというのは初めてで、時間に十分余裕があります。なので、実際に購入した気分になって、近所のヨドバシでE-M1Xのアクセサリー類を物色したり「腰ぶら」の様子を店頭のモニターで眺めてみたりしました(^^ゞ


意外と違和感のない大きさ




インテリジェント被写体認識AFとは

新宿駅周辺を軽くスナップしたあと、電車で原宿に移動して明治神宮にやってきました。

「被写体認識AF」を一言で表すと、撮影の仕事を手伝ってくれるアシスタント機能です。使用する前は「撮影者の楽しみを奪う悪魔の機能」と思ってましたが。そういえばAIが流行り始めた頃に、「AIによって消える職業」みたいな話をよく聞きました。本来はAIに支援してもらう事で、人間は新しい発想を得たり、未開拓の領域に注力できるようになるはずなんだけど。

明治神宮は曇り時々小雨><;
 


事前準備 

被写体認識AFは、MENU/歯車のA3/追尾被写体設定で、モータースポーツ、飛行機、鉄道、鳥の中からいずれかを選択した後、オールターゲットとC-AF+TRを指定して使用します。今回の新機能「鳥認識AF」の動作には、3つのアルゴリズムが組み込まれていました。

  1. 画面内の鳥を検出する機能(鳥全体に白枠表示、おそらく最大8羽)
  2. 半押AF後に鳥の頭部を優先的にフォーカスする機能
  3. 半押AF後に鳥の瞳を優先的にフォーカスする機能

ふむふむ、地面の葉っぱを「これは鳥かな?」と自動検出するAIくん
 

 

実際に撮影してみると・・

使用レンズ「M.ZUIKO 300mm F4 PRO」での「鳥認識AF」は、単独行動している鳥には向いているが、茂みや枝葉に隠れる小鳥のフォーカスや、群れでいる場面での被写体の選択は「半押しAF」をOFFにして運用で回避するなど、まだ改善の余地があると感じました。

そこは従来通り、グループターゲットまたはスモールターゲット+C-AFで撮影すればよい話なので、例えば茂みなどでは被写体認識AFで一緒に野鳥を探すのを手伝ってもらい、その後は従来のC-AFをCダイヤル切替またはFnで呼び出して撮影するといった事ができる。撮影時に使える引き出しが増えることは良いことです。

ただ、今回はベータ版ですし、40-150mm F2.8や150-400mmでは「鳥認識AF」の動作が変わる可能性はあります。 

さっそくAIがコゲラを見つけてくれた。しかし遠かった><;

おお〜瞳にピントが



謎の安心感




 

また、OM-D E-M1XのC-AF+TRは、人物に対しても人体認識から頭部へと緑のターゲット表示が大きさを変えながらフォーカスが自動で合焦した。OM-D E-M1 Mark IIのC-AF+TRよりも見た目が分かりやすく、実にインテリジェントな振る舞いをする。「ついにオリンパスのC-AF+TRが実用レベルに達したか」という印象で、スナップやポートレート撮影で活用できる機能アップデートではないだろうか。

 このカメラを1日で返却するなんて、とても寂しい!(ノД`)








フォーサーズレンズの動作

フォーサーズのお気に入りレンズ2本、LEICA D SUMMILUX 25mm F1.4とZD 50mm F2.0 Macroを持参して試したが、OM-D E-M1 Mark IIのAFよりも快適でした。ギゴギコと鳴く動作音まで、E-M1Xだと静かになった気がするから不思議だ。残念ながら被写体認識AFは動作しなかった。意地悪で改造MMF-3にMC-20を付けて撮影してみたが、それも難なく動作する。E-M1Xよ、お前は化け物か。

そんなに小気味よく動かないで(;・∀・)

 

 

 

気になるボディバランス、サイズ感

これは経験者の話を聞いてみたいところだが、野鳥を見つけてOM-D E-M1 Mark IIとM.ZUIKO 300mm F4を向けると大体フレームに入るように身体が覚えている。しかし、OM-D E-M1Xの場合は多少狂った感じがした。慣れの問題なのか、毎回矯正に苦労するのか。EE-1を使えばいいじゃんという話もあるが、とまりものはEE-1に頼らなくてもよいので。

縦位置のフォームも身体が覚えてしまっている。と同時に、縦位置グリップを使わないともったいないという気持ちが芽生えた。

リュックはパンパン。当たり前だ。OM-D E-M1 Mark IIにも使えるように買った出張用のリュックだもの。なんて、買わない理由を探しているような気もする(^^;;

 

 

 

結局どうする?

登山やスナップなど、週末用途の自分には機動力のあるOM-D E-M1 Mark IIIの方が無難だろう。だけど鳥認識AFなんて難しいことに挑戦しているOM-D E-M1Xにはロマンを感じてしまいます。

OM-D E-M1Xの価格改定さえなければ、こんなに悩まなかったかもしれない。少なくともモータースポーツや鉄道の分野では被写体認識AFが評価されているようですし、降雨や猛暑など過酷な撮影シーンはどんとこいのOM-D E-M1Xで決まりでしょう。

OM-D E-M1 Mark IIの最終ファームウェアで自分にはもう十分と思ったけれど、こうしてまた欲しくなるように進化しているのだから困ったものです。(;・∀・)あー決められない

 

 

オリンパスの攻勢は続く

2020年12月3日(木)、鳥認識AF、動画RAW、MF時のフォーカス距離指標表示などに対応したファームウェアVer.2.0を正式リリース。2021年1月29日(金)には、映画「おもいで写真」が公開予定で、なんと主人公 結子の使用カメラが「OM-D E-M1X」です。主演の深川麻衣さんは、普段から趣味でフィルムカメラ「ナチュラクラシカ」で撮影している写真好きの方で、今回本格的なカメラを扱うのは初めてとのこと。

オリンパスは、「M.ZUIKO 150-400mm F4.5とセットで使用して欲しい」と前代未聞のフラッグシップ機「OM-D E-M1X」の大幅な価格改定に踏み切った訳だが、早くもお詫びのニュースが登場するなど異例の事態になった。(・・;)スゴイ

 

 

 

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