2023年12月10日日曜日

ドジャース大谷翔平選手がホームランを打つ瞬間を撮影するのはむっちゃ難しい

ドジャースの大谷翔平選手をマイクロフォーサーズで撮影したいと思ったけれど、MLBは禁止事項が多くてむっちゃ難しそうだ

衝撃弾を撮りたい

今も彼がホームランを打つ瞬間の映像を観ることができます。(3/12WBC、Amazon Prime

インパクトの瞬間まで打つボールをしっかり見ている
インパクトの瞬間


 

シャッタースピードとISO感度

全国各地、年間100試合を撮影するカメラマンの”たろ氏”によると、ナイターでもバッターに照明が当たるので結構明るいらしく、シャッタースピードは1/1250〜1/1600、ISO感度は最大ISO4000〜6400辺りまでに留めて撮影しているとのこと。(2020、がんばる選手をキレイに撮りたい!たろ氏の野球撮影note

 

 

カメラ

最大ISO6400といった上記の条件を考慮すると、スチルはマイクロフォーサーズで唯一「BIFランキング」にトップ15入りしているOMDSの「OM SYSTEM OM-1」、またはパナソニックの最新機種「LUMIX G9PROII」が最有力候補です。

動画はパナソニックのLUMIX G9PROII、GH6、GH5Sを採用すれば、テレビのように4K120fpsでスローモーション撮影できる盤石の体制を作れる。

 

 

レンズ

ドジャースの本拠地、ドジャー・スタジアム(カリフォルニア州ロサンゼルス)の「スタジアムポリシー」によると、そもそもゲームプレイ中の選手の撮影が禁止されています。また、6インチ以上のレンズが付いたデジタル一眼カメラをドジャー・スタジアムに持ち込もうとすると、入場拒否されてしまうかもしれません。きびし〜

  • Still and video cameras are permitted in Dodger Stadium for personal use only. Taking photos or videotaping any game action is prohibited. Fans may not block aisles or obstruct the view of others. Professional photographic tools (such as tripods, telephoto lenses, etc.) are not permitted in the stadium. Lenses cannot exceed 6" in length.

 

古巣のエンゼル・スタジアム・オブ・アナハイムの「セキュリティガイドライン」によると、こちらも6インチ未満のレンズ付き個人用カメラであれば持ち込みを許可されています。6インチは15.24cmです。候補の望遠ズームレンズは以下の3本でしょうか。


  • LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH. + TC14(280mm F5.6、全長152mm)※ほぼ規定の長さ
  • LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S. H-FSA100300(300mm F5.6、全長126 mm)
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II(300mm F6.7、全長116.5 mm)


実際にエンゼル・スタジアムでMLB観戦をしたおはぎ氏によると、ソニーα7 IIIとFE 70-300 f4.5-5.6(14.35cm)の持ち込みに成功したそうです。ただし、金属探知機で必ず止められてレンズの長さを検査されるので、LEICA 50-200mmに1.4倍テレコンを付けるのはやめた方が良さそう。

2023 WBC準決勝、決勝の舞台で、マリーンズの本拠地であるローンデポ・パークの「インフォメーションガイド」には、「Digital cameras with zoom lenses fully extended less than eight (8) inches」とあります。規制はちょっと緩めで、8インチは20.32cmです。激闘のメキシコ戦では、カメラを構える観客が何人もテレビ中継で映っていました。

逆転サヨナラのシーンを纏めたWBC公式の映像は素晴らしいですね。最後の歓喜の渦の場面は、ジンバルに載せたEOSで撮影しています。報道関係者になれば、α9 IIIやZ 9と超大砲レンズでやりたい放題ですね。2024年は「三笘の1ミリ」のような衝撃映像がまた観れるかもしれません。



日本の入場ルールはどうでしょうか。東京ドームの「来場時のお願い」によると、MLBのような明確なカメラとレンズの規定はありません。しかし、迷惑行為をする人が現れたらすぐに規制の対象となるでしょう。

本当は、M.150-400mm F4.5、M.300mm F4 IS PRO、LEICA 200mm F2.8などの大口径望遠レンズを使って、キレッキレの写真を撮りたいところだが、持込禁止物の項目の1つに「過度な座席確保を目的とする物」とあるので、全長20cm以内の望遠ズームレンズに抑えるべきでしょう。となると、候補のレンズは以下の3本か。

  • M.40-150mm F2.8 PRO + MC-20(300mm F5.6、全長185mm)
  • LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm II / F4.0-6.3 ASPH. / POWER O.I.S.(400mm F6.3、全長171.5mm)
  • LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH. + TC14(280mm F5.6、全長152mm)



撮影場所

ドジャー・スタジアムにカメラを持ち込めたとして、試合前のバッティング練習であれば撮影しても大丈夫でしょうか。

大谷翔平選手の身長は約2m、マイクロフォーサーズの撮像センサーのサイズは水平17.3mm x 垂直13mmです。バッターボックスから300〜400mm離れた位置で彼の全身が入る画角は、下図の青または赤のエリアが目安となる。

  • (青)300mm /(13X / 2) = 46.154m
  • (赤)400mm /(13X / 2) = 61.538m
ドジャー・スタジアム



座席表


少し広く撮って後でトリミングがOKの場合は、ドジャースタジアムは三塁側143・229、東京ドームは内野席C52が意外と穴場なのかもしれない。



被写界深度

大谷翔平選手のバットの長さは87.6cmと言われています。マイクロフォーサーズの許容錯乱円径を0.015mmとして計算すると、下表の被写界深度となる。

焦点距離

距離

前方被写界深度

後方被写界深度

被写界深度

300mm F5.6

46m

1.893m

2.006m

3.957m

300mm F8

46m

2.658m

3.005m

5.663m

400mm F6.3

61m

2.121m

2.279m

4.401m

400mm F8

61m

2.668m

2.924m

5.593m

 

顔優先AFで撮り続けるか、ホームベース上に置きピンのどちらがよいか迷いがあるが、大谷翔平選手の顔にピントを合わせ続けて撮った場合でも、被写界深度が深いマイクロフォーサーズであれば、バットの先端までピントが合いそうな感じです。また、一流のバッターはコマのように体を回転させて打つので、ほぼ顔が動かない。従って、顔優先AFで顔にピントを合わせ続けた方が、撮影に成功する確率が上がるのではないだろうか。



プロキャプチャーモードの活用

OM-1には裏技的な撮影機能「プロキャプチャーモード」が用意されている。 OM-1は連写速度が進化したので、以下のように設定できる。

  • MENU>カメラ1>7.連写設定>ProCapSH1(AF固定、0.4秒)

    • 連写速度:120fps
    • プリ連写枚数:50fps
 
  • MENU>カメラ1>7.連写設定>ProCapSH2(AF追従、2秒)
    • 連写速度:50fps
    • プリ連写枚数:25fps

 

投手がボールをリリースしてバッターが打つ瞬間まで約0.5秒、打者がバットを振り始めてスイングが終わるまでの時間が約1秒です。

被写界深度の計算結果から、ProCapSH1で顔優先AFでピントを合わせ、半押し状態で待機し続ける。大谷翔平選手がボールを打って、バットを投げたらシャッターボタンを押す。この撮影を繰り返す。あとは現地でシャッターボタンを押すタイミングやプリ連写の枚数を微調整すれば、良い結果を得られそうだ。 


SHプリ連写記録

G9PROIIにも時間を遡れる機能が新たに搭載されました。遡れる時間は1.5秒、1.0秒、0.5秒が設定できます。SHプリ連写速度はAF固定で約75コマ/秒、AF追従で約60コマ/秒、約20コマ/秒が用意されています。
 
遡れる時間を0.5秒に設定、AF固定で顔にピントを合わせる。大谷翔平選手がスイングしてバットを投げたらシャッターボタンを押す。G9PROIIは、シャッターボタンを押し続けるとその後も撮影し続けるので、興奮して押し続けないように気をつけましょう。
 
 
 

最後に・・

長年にわたり練習を積み重ねてきた日本代表の選手達は、大きなプレッシャーの中で様々な表情を見せてくれました。重圧を楽しむ人、あえて自分を追い込む人、普段通り淡々とプレーする人といった各々の戦い方で真剣に取り組む姿に胸が熱くなりました。

彼らが示した、粘り強く、諦めずに戦い抜く姿勢は、野球ファンだけでなく、多くの人々に勇気と感動を与えました。今後も、日本代表の選手達が活躍する姿を楽しみにしましょう。