2023年9月21日木曜日

PS Align ProとTP-2で日中の極軸合わせ

日中やベランダなど北極星が見えないときの極軸合わせを効率アップするiOSアプリ「PS Align Pro」を使用してみました。
 

PS Align Proとは

PS Align Proは、極軸合わせを支援する便利ツールです。無料版と有料版の2種類があり、2021年11月に新しいiPad miniとiOS15に対応したv6.2、2023年7月には最新版のv6.5がリリースされました。
 
作者はギリシャのコンピューター科学者および物理学者のエクアドルさん。コメントや質問は大歓迎とのこと。(問い合わせフォーム) 
  • すべての機能とアップデートは永久に無料
  • PS Align Pro Watch(¥700円)は、Apple Watch用
  • Android版の開発は未定

 
 

ダウンロード


 

設置箱の作成

有料版に含まれている機能の一つに「PS Align Daytime」という日中やベランダでの極軸合わせを支援する機能があります。
 
設定ガイドによると、「PS Align Daytime」は iPhoneの画面を天の極(North Celestial Pole)に向けるのではなく、iPhone上部を天の極に向ける必要があります。


また、iPhoneをTP-2に設置するケースを金属製にするとコンパスが5〜10度ほど狂ってしまうため、プラスチックや厚紙、木箱などがお勧めとのこと。カメラ用の液晶保護フィルムが入っていた木箱が部屋に転がっていたので自作してみました。設置の際に背面カメラの出っ張りが木に当たらないように注意しました。

マウント部の板は積水の強力両面テープで固定


 

PS Align Proによる日中の極軸合わせの流れ

  1. (初回のみ)iPhone設定/コンパス/真北を使用(固まる場合) 
  2. (初回のみ)iPhone設定/機内モードをONにする
  3. 三脚と微動雲台を設置して水平にする
    1. 2軸水準器を使用して微動雲台を微調整する
    2. 水平になった雲台にiPhoneを載せて「PS Align Pro」太陽アイコンをタップ
    3. Settings>GyroCalibrationをタップ
    4. Save OffsetをタップしてDone 
  4. ポータブル赤道儀とシンプルフォークユニット2を設置する
  5. 汎用ベースクランプx2の向きを目盛り水準器確認しながら垂直にする
  6. 木箱を固定してiPhoneを置く
  7. 「PS Align Pro」太陽アイコンをタップ(表示されていないときは右下の…をタップ)
  8. 微動雲台で十字線が的の中心になるように微動雲台を調整する
 
とても分かりやすい✨



使ってみた印象

  • 操作ガイドによるとLocation:「自動」を推奨だがSE2/6sの場合はLocation:「Map」または「Find Place」の方が安定した(後述)
  • MapおよびFind Placeの結果はお気に入りに登録できる
  • 設置の際は横着しないでiPhoneのケースは外すべし
  • 歯車の「Disable display sleep」をYesにしておくとストレスフリー
  • あくまでラフな位置合わせで「ライブドリフト」は併用する
 
 
 

レチクルパターンの設定

ホーム画面のレチクルパターンは、日中やベランダでは極軸望遠鏡と絵を合わせる必要もないので、肉眼で見たままの設定にします。

  1. 歯車をタップ
  2. 左上の「Change Polar Scope」をタップ
  3. 上から4番目のOrion ClassicをタップしてDone
  4. Advanced Settingsをタップして「CORRECT」を選びDone

 

 

ミニバージョンの作成

机の上に置ける小さいタイプも作ってみました。北極星の周りを北斗七星、カシオペヤ座がくるくると回っている様子を眺めるだけでも楽しい。家の中は電子機器や金属だらけでデジタルコンパスが狂うことは日常茶飯事なので、2つあると問題の切り分けの際にも役立ちそうです。




GPSの技術仕様(2023)

Phone 6s

A-GPS、GLONASS(ロシア)、Galileo(EU)、QZSS(日本)

iPhone 7

A-GPS、GLONASS、Galileo、QZSS

iPhone 8

内蔵GPS/GNSS

iPhone SE

A-GPS、GLONASS

iPhone XS

A-GPS、GLONASS、Galileo、QZSS

iPhone SE2

内蔵GPS/GNSS

iPhone 11

内蔵GPS/GNSS

iPhone SE3

内蔵GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou(中国)

iPhone 12

内蔵GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou

iPhone 13

内蔵GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou

iPhone 14

内蔵GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou

iPhone 15

内蔵GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou、NavIC(インド)

対応信号

L1C/A(共通)


2018年11月1日よりQZSS(みちびき)に対応。GPSは補完機能があるため位置情報は機種毎に大きく変わらないはずだが、屋内では以下のような動作を確認できた。

  • Googleマップのリアルタイム表示ではiPhone13が最も安定。iPhoneSE2とiPhone6sはふらふらして安定しない
  • Googleマップの座標とLocation Manager内の「Find Place」の座標は一致した
  • 気圧/高度計アプリによると絶対高度に対応しているのはiPhone13のみ
  • 「Auto Location」の標高は iPhone13とSE2/6sで結果が異なる
  • iPhone13の絶対高度と「Auto Location」の標高は一致した

以上のことから、ベランダの極軸合わせはiPhone13メインとし、「PS Align Pro」太陽アイコン内の「Compass:Good」のときは「Auto Location」、「Compass:MediumまたはBad」のときは「Manual Location」を選択するのが良さそうです。
 
 
 

新機能

2023年7月3日 ver.6.5
  • Location Manager での座標入力のオプションとして 10 進度を追加しました。
  • DSO DB 検索ヘルプを改善し、アクセスするためのボタンをキーボードの上に追加しました。
  • バブルレベル/コンパスツールは、真/地理的方向と磁北方位の両方を0.5°の解像度で表示します。 コンパスに5度の目盛りが追加されました。
  • ザステリアの変更点:
    • テキストとアイコンの両方の天気ビューのコントラストが向上しました。
    • オーストラリア/ニュージーランドのユーザー向けのクラウド無料宿泊へのリンク
    • Sat24 のズームの問題を修正しました。
    • 更新に失敗した場合、最後に良好な天気予報を表示します。
    • 悪い Apple Weather データによるクラッシュの可能性を回避します。

 

  • 日付円 - 時間/RA 円変換計算機。
  • Star Adverturer が卒業日サークルを使用するための回転レティクル ビュー ツール オプション。 リセットボタンを追加すると、任意の回転位置からトラッキングの開始/停止が機能します。
  • メイン ページのクリック可能な領域 (座標など) に視覚的なヒントを追加しました。
  • ザステリアの変更点:
    • MET Norway からの新しい予測を追加しました。 これは非静力学 ECMWF モデルに基づいており、急峻で複雑な地形がある地域の予測を向上させるために高度が考慮されます。 これは、構成可能な表示、雲層のオプションなどを備えた 10 日間の天気予報です。
    • 3~10日の予報コントロールと 4時間の予報ステップ オプション (Apple Weather および MET.no) を追加しました。
    • 7Timer/アイコン モードのゼロ値は完全に空白で、表示をすっきりさせるためにトワイライト タイミングをオフにするオプションもあります。
    • ISS/衛星時間の DST 修正 (太平洋とアラスカのタイムゾーンに影響します)。
    • 現在の GMT オフセットが設定および ISS/衛星時間に表示されます。
    • さまざまな修正と天気表示速度の改善。


2023年3月9日 ver.6.3

  • ライフルスコープレティクルのFOVスライダーを修正。
  • スターリストのバージョン選択を修正しました。
  • Location Manager で緯度/経度の10進数を入力できます。
  • Star Adventurer およびポラリエ ユーザー向けの Daytime Alignment ツールのヘルプ セクション。
  • iPadOS16の回転を修正しました。
  • iOptron WiFi Connect の変更:
    • マウントの動きを制御する方向パッド。
    • GoTo 後の Sync To Target 機能。 星1揃えに相当。
    • GoTo で太陽/月追跡レートを自動的に設定/設定解除します。
    • 最新のマウント (HEM27、Skyhunter) を識別するために更新されました。
    • v1.x ファームウェアが追加された古いマウントのサポート (ZEQ25、非 Pro iEQ30/45/SmartEQ)。
  • ザステリアの変更点:
    • 間もなく廃止される Dark Sky サービスを、それに代わる Apple Weather サービスにアップグレードしました。 予測は 10 日間に延長され、雲層オプションが追加されます。
    • 北米のユーザー向けの新しい Jetstream リンク。
    • iOS16の光害マップボタンの表示を修正。
 
 
 

更新履歴

  • 2022/07/05 - 記事公開
  • 2023/09/21- iPhone 14/15のGPS情報, PS Align Proの新機能情報を追加、アプリ価格およびレチクルパターンの設定をver.6.5に反映