Adobe Camera Raw のサポート対象に「OM SYSTEM OM-1」が登録されました。
Adobe Camera Raw(2022年2月)
各アプリケーションの対応バージョンは以下の通りです。
カメラ |
Camera Raw |
Lightroom |
Lightroom Classic |
OM デジタルソリューションズ OM SYSTEM OM-1(ORF) |
14.2〜 |
5.2〜 |
11.2〜 |
ダウンロード
- RAWサンプルデータ
- OM System OM-1 Samples | Imaging Resource ※2023年5月公開終了
- Image comparison|DPReview ※1
※1:DPReview 比較ツールでRAWを選択後に拡大表示されているのはJPEG変換された圧縮画像です。(画像を右クリックして"画像を新規タブで開く"で確認できます) さらにオリンパスのカメラはノイズリダクション:「標準」で撮影されているため比較する際は注意が必要です。RAWデータをダウンロードすると高解像度で比較できます。
- RAW現像ソフトウェア「OM Workspace」
DNG変換設定
OM-1発売後、RAW現像ソフトウェアが未対応の場合は、この変換ツールを使用します。今回は、以前に試用したときの記事を参考にして以下の設定にしました。
- 互換性:カスタム(下位バージョン:DNG1.1、非圧縮)
- JPEGプレビュー:標準サイズ
- 圧縮/画像サイズ:オフ
- オリジナルRawファイルを埋め込む:オフ
Mac版DNG変換 Ver.14.2の気付いた点
- ISO1600以下で撮影されたデータであればどの互換性を選んでもOK。ISO3200以上はバージョンによって、画像に赤味(カラーノイズ)が増したり輝度ノイズが増えたりしました。
- 全バージョンの変換後の画像を比較した結果、OM Workspaceのオリジナルに最も近い画像の変化が少ない互換性の設定は非圧縮オプションでした。
Imaging Resource
OM-1のサンプルデータは、NRなしのISO200, 800, 1600, 3200, 12800 を選んでダウンロードしました。MacOSがRAW未対応のため、DNG変換後にPixelmator Proで読み込んで比較しました。結果は、ISO1600までは画像の変化が非常に少ない。
ISO3200はOM Workspace上は綺麗ですが、DNG変換後に不安定になるケースがあることを考慮すると、OM-1がMacOSに正式対応されるまでしばらく使用を迷うかも。実際に撮影して判断する必要がありますが、この結果からISO2000〜2500までは問題なく使えるのではないかと期待します。→非圧縮オプションを見つけました。
DPReview
DPReviewは、EXIF情報から以下の内容で撮影していることを確認できました。撮影に使用したレンズは、2016年まではM.ZUIKO 45mm F1.8。以降はLEICA DG 42.5mm F1.2で、マイクロフォーサーズの最高峰レンズの1つ。レンズ特性としてF2.8まで絞れば画面の隅々まで良像する。最短撮影距離は0.5mです。- シャッター:1/5s
- 絞り:F5.6
- 露出補正:0EV
- ホワイトバランス:オート
- 測光モード:マルチセグメント
- 撮影モード:マニュアル
- 階調:標準
- ノイズフィルタ:標準
- 色空間情報:sRGB
以上のことから、低照度(比較ツール上の💡をクリック)のRAWデータをダウンロード後、OM Workspace上で、ホワイトバランス:グレー点指定、ノイズフィルタ:OFF、偽色抑制:オフに変更後に比較してみました。また、露出補正を+2EVすると、機種毎の高感度ノイズの特徴を掴みやすい。
グレー点指定は銀一さんの解説を参考にしました |
ISO800〜3200
下記画面のキャプチャーはMac純正ソフトを使用しました。Tiff形式でクリップボードに出力後、画質100%のWebp形式で出力しています。($ defaults write com.apple.screencapture type tif)
|
ISO6400
ISO6400から艶がなくなってしまう印象です。細部は消失していないため、星空など長秒撮影では問題なさそう。OMDSによると「OM-1はノイズ耐性の向上で常用感度25600を実現」とありますが、OM Workspaceの新機能「AIノイズリダクション」でどこまで改善できるか気になるところ。(実はまだApple M1を購入していません(汗)) →その後、M2を購入しました。OM-1のISO3000〜4000の画像で気になる時はAIノイズリダクションの「強度:弱」で十分。E-M1 Mark IIの暗所ノイズは「偽色抑制: 標準」を使うと劇的に改善します。買ってよかったApple M2!
左:E-M1 Mark III、右:OM-1 |
以上、試したRAWデータを元に「撮影で使えるISO感度上限」の予想を下表にまとめてみました。止まりものなどは、ここからさらに高感度ノイズを低減できる手持ちハイレゾショットを併用すると高品質な写真を量産できます。
MODEL |
発売月 |
高解像度 |
長秒時 |
OM-D E-M1 Mark II |
2016/12 |
1250 |
3200 |
OM-D E-M1X |
2019/2 |
2000 |
5000 |
OM-D E-M1 Mark III |
2020/2 |
2000 |
5000 |
OM SYSTEM OM-1 |
2022/3 |
2500 |
6400 |
OM-1のノイズリダクションOFFの高感度ノイズはきめ細かく質がよい。ノイズというよりフィルムの「粒状感」と言って差し支えないレベルです。
DPReviewラボテストの不思議
カラーノイズどこ??? |
翌日、上記構成のまま、以下の設定を変えるとカラーノイズと輝度ノイズが過去最高に出て画像を劣化させることに成功しました。夕方の時間帯に日影の部屋で照明なしの自然光で撮影しました。
- カラーノイズを出す
- 電気信号を増やす(メカ・電子シャッター、ノイズリダクションONなど)
- ISO感度を上げる
- 輝度ノイズを増やす
- 露出不足にする(下図はSH測光モードで露出補正±0)
ISO3200汚ぇ〜 |
低振動モード0秒、ノイズリダクションOFF、露出補正+1で撮影すると、カラーノイズと輝度ノイズは激減しました。
ISO3200まあまあ綺麗〜 |
更に夜にテストを続けると、ホワイトバランスと照明の種類によってメカと低振動モード0秒は緑被り、電子シャッターは赤被りしやすい傾向がある事が分かりました。室内は、蛍光灯よりもLED照明の方が安定した画質で撮影できます。どうやらE-M1 Mark IIについては、最初のテスト撮影で正解を出していた模様。特に電子シャッターの暗所の赤被りノイズを嫌う人は多いと思われる。
ただ、E-M1 Mark IIで露出設定をミスって撮影しても、後からOM WorkspaceのAIノイズリダクション「偽色抑制: 標準」で改善できてしまうのだから神経質になる必要はないかも。
Lightroomとモニター
OM WorkspaceやSILKYPIXといった純正のRAW現像ソフトは、開いたときに撮影時の設定を自動で読み込んでくれますが、LightroomはWB以外は何も指定しないと中央値で読み込まれる。
そこから露出補正/ハイライト/シャドウや明度/コントラスト/ブラックポイント/カーブなどを適切に設定していくと、OM Workspaceと同じ写真にできるのだが、低照度の写真はWB/露出の状態と液晶モニターの設定次第で見た目が大きく変わります。これも人によって違う感想になる原因の1つかも。