2019年11月23日土曜日 更新:

アドビシステムズのDNG形式を試す

米アドビシステムズが提唱するRAW標準フォーマットDNG形式を実際に使用してみました。





DNG形式とは

Digital Negative(デジタル ネガティブ、DNG)は、米アドビシステムズによって開発された画像ファイル形式。TIFF/EPをベースにメタデータの重要な使用を義務付けている。拡張子は.dng。2004年9月27日に発表された。

メーカー間で非統一のRAW画像をDNG形式に変換することで互換性などの問題が解決するというが、実際にはほとんどのカメラメーカーが依然として独自形式を採用している。(Wikipediaより引用)



DNG形式に変換するメリット

メーカー固有の RAW 形式の大半とは異なり、DNG は一般公開されている仕様であり、アドビがサポートしているだけでなく、他のソフトウェアおよびハードウェアベンダーも自由に利用できます。そのため、長期的に保管する場合により安心して使用できるファイル形式と言えます。ファイルを DNG 形式で保管しておけば、RAW ファイルの作成に使用されたカメラ形式が廃止されても、読み取れなくなる心配はありません。
DNG の仕様では、現行の RAW 形式で格納されたすべてのピクセル情報だけでなく、多くのメーカーが追加で採用しているあらゆる独自のメタデータも考慮されています。Adobe DNG Converter では、こうした独自のメタデータの一部が無視され、高画質の画像ファイルの作成に必要な基本情報だけが保存される場合があります。ただし、元の RAW ファイルを新しい DNG 形式に含めて、メーカー独自のメタデータが失われないようにすることもできます。(アドビシステムズより引用) 



DNG形式に対応するデジタルカメラ

  • シグマ(sd Quattro H、fp)、ペンタックス、リコー、ライカ、サムスンが製品に採用。そういえばApple iPhoneもDNG形式です。



Adobe DNG Converterテスト




Adobe DNG Converter 12.0のサポートカメラリスト(11/4)

このコンバーターを使ってOM-D E-M5 Mark IIIのRAWデータを変換したところ、macOS Catalinaの写真appやプレビューが使用できるようになりました。Adobe Lightroomなども、デジタルカメラの独自RAWが使えるようになるまで、新製品の発売から約半年〜1年近く待たされるそうです。急ぎの場合はDNGに変換してしまうのも手ですね。ただし、注意事項はあります(後述)

  • Apple iPhone 11
  • Apple iPhone 11 Pro
  • Apple iPhone 11 Pro Max
  • Fujifilm X-Pro3
  • Google Pixel 4 Front Camera*
  • Google Pixel 4 Rear Wide Camera*
  • Google Pixel 4 Rear Telephoto Camera*
  • Google Pixel 4 XL Front Camera*
  • Google Pixel 4 XL Rear Wide Camera*
  • Google Pixel 4 XL Rear Telephoto Camera*
  • HUAWEI Honor 20 Pro Rear Main Camera
  • HUAWEI Honor 20 Pro Rear Telephoto Camera
  • HUAWEI Honor 20 Pro Rear Wide Camera
  • HUAWEI Mate 10 Pro
  • HUAWEI P30 Rear Main Camera
  • HUAWEI P30 Rear Telephoto Camera
  • HUAWEI P30 Rear Wide Camera
  • HUAWEI P30 Pro Rear Main Camera
  • HUAWEI P30 Pro Rear Telephoto Camera
  • HUAWEI P30 Pro Rear Wide Camera
  • Olympus E-M5 Mark III
  • Olympus PEN E-PL10
  • Nikon Z 50*
  • Sony A6100 (ILCE-6100)
  • Sony A6600 (ILCE-6600)

*マークは予備的なサポート



DNG変換時の注意事項

DNG変換時の設定は基本デフォルトでOKですが、用途に応じて細かく調整が可能です。代表的な設定は、以下の4項目です。

  • 互換性:Camera Raw4.6以前は圧縮率が低いが互換性が高い。最も確実なのはカスタムの下位バージョン:DNG1.1、非圧縮
  • JPEGプレビュー:標準サイズまたはフルサイズを指定すると、プレビューがすぐ表示されるようになります。ただし、ファイル容量は増えます
  • 圧縮/画像サイズ:非可逆圧縮を使用(ピクセル数を保持)をオンにすると、ORFファイル19MB→13MBまで縮小できた
  • オリジナルRawファイルを埋め込む:ファイルの抽出はコンバーターの「抽出」ボタンより行う


ヒストグラム比較

最新のDNGコンバーター12でも微妙に違うのだが・・これが独自のメタデータが無視され基本情報だけが残るという話か。人間の視覚特性を利用して劣化が目立たないようになっているため、大きな圧縮率が得られる。オリンパスE-M1 Mark IIのRAWファイルでは、以下の結果となった。

左:ORFオリジナル 中:DNG圧縮有り 右:DNG圧縮無し






(おまけ)DNGのアップロードテスト


  1. Flickr:ORF、DNG共にアップロード不可
  2. Googleフォト ORF、DNGアップロード可(以下、ORF VS DNG)

①ORF→Googleフォト圧縮(1.9MB)→Blogger s1600
②ORF→DNG圧縮→Googleフォト圧縮(1.9MB)→Blogger s1600
③ORF→DNG圧縮なし→Googleフォト圧縮なし(17.8MB)→Blogger s1600

    • ①ORF    →Googleフォト圧縮  (無料):空の色が変わってしまった
    • ②DNG圧縮  →Googleフォト圧縮  (無料):画質の変化が少ない!不思議
    • ③DNG圧縮なし→Googleフォト圧縮なし(有料):結局Bloggerで縮小表示してるから差が分かりにくい・・