山でiPhone8は使えるのかという興味があったので、iPhone8とマイクロフォーサーズカメラの2台持ちで大野山に行ってきました。iPhone8のカメラの使い勝手と、今後MFTカメラと併用したときの役割を考えてみました。
主な仕様
- 撮像センサー:12MP裏面照射型センサー
- 防滴処理: 防沫、耐水、防塵性能(IP67等級)
- ズーム:デジタル5倍
- 焦点距離:3.99mm F1.8(35mm換算28mm相当)
- レンズ構成:6枚
- 手ぶれ補正:光学式
- 最短撮影距離:7cm
- RAW撮影:API対応
- 動画機能:4K60p, スロー1080p(120fps/240fps)
- メモリ容量:64GB、256GB(2モデル)
- 質量:148g
iPhone6s(2015年9月25日(金)発売)以降の目玉機能としては、「Live Photos」と「RAW撮影」のAPI対応があります。「Live Photos」は、過去に戻れるオリンパスのプロキャプチャーの簡易版で、1回のシャッターで前後1.5秒ずつ記録されます。
基本情報
- 製品名:iPhone 8
- 希望小売価格:オープン価格、初値78,800円(64GB)
- 発売日:2017年9月22日(金)
RAW撮影
「RAW撮影」のAPI対応は、RAW撮影対応のカメラアプリ(LightroomモバイルやSILKYPIX Shotなど)を使用してRAW撮影モードをONにすると、アドビ提唱のRAWファイル形式(DNG)で保存されます。今回の撮影は全て、リコーやPanasonicのデジタル一眼ユーザーにはおなじみの市川ソフトラボラトリー製の「SILKYPIX Shot」で行いました。
DNGファイルの読み込み
iPhoneをUSBケーブルでパソコンに接続したあと、MacOSは「イメージキャプチャ」または「写真」で。Windowsは、ウィンドウズエクスプローラーでDNGファイルを読み込むことができます。
iPhone DNG
撮影したDNGファイルを「Pixelmator PRO」や「SILKYPIX Developer Studio」といったRAW現像ソフトで読み込むと、たとえISO低感度で撮影したDNGファイルであっても高感度ノイズやデジタルノイズまみれであり、iPhone8の写真は画像処理エンジンによってかなり整えられて自動出力されていることが分かります。
素の状態。DNGファイルをそのままJpeg出力 |
iPhone8 back camera at 1/3690 3.99mm F1.8 ISO25 Jpeg |
また、iPhone8でJpeg撮影したファイルの細部を見ると、ノイズリダクションが強くかけられた影響が確認できます。Lightroomのノイズリダクションをやり過ぎた経験をお持ちの方は多いと思いますが、そんな感じです。 なので、そこを半自動にして、RAW現像ソフトで自分好みに色合いを調整したり、白飛びなどをリカバリーできるのはメリットに感じました。
iPhone8とMFTカメラの使い分け
一方、MFTカメラはどうだったかというと、流石にOM-DのRAWファイルは曇り空でもノイズまみれになるということはありません。冒頭と下の写真は、どちらも自分が作成した同じプロファイルを適用しました。比較用に準広角のレンズを持っていったのですが、まさかiPhone8は広角レンズになっていたとは。しかし、結果的に上手いこと画角の異なる写真が撮れました。
E-M1Mark II + M.ZUIKO 17mm F1.2 PRO at 1/8000 F1.2 ISO80 |
iPhoneは究極の全自動カメラ
RAW現像のノウハウが蓄積すれば、ノイズリダクション処理がもっとお利口さんになっていく。そこがAppleの狙いだろうか。「Live Photos」のUIは洗練されていると思うし、スローモーション撮影のエフェクトなんて面白くて最高です。究極の全自動カメラとして、iPhoneは今後も進化していくに違いない。
E-M1Mark II + M.ZUIKO 17mm F1.2 PRO |
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