7/2、もうすぐ七夕ということでOM SYSTEM より驚きの発表がありました。E-M1 Mark IIIの天体撮影カスタムバージョンの登場です。
E-M1 Mark IIIとの相違点
- Hα線透過率:約100%
- カスタム設定:天体用カスタムC1(手持ちハイレゾ)、C2(低振動モード)
- レンズリセット: Off
- EVF自動切換: On2
- Fnレバー: 静止画/動画 Mode1
- 手持ちハイレゾショットのレリーズ待機時間:30秒
- E-M1 Mark lll ASTRO は 「天体撮影専用カメラ」
- E-M1 Mark lll に比べて、Hα線(波長656nm)の透過率を大幅に向上
- 天体以外の一般的な被写体の撮影は、実際よりも赤みがかかった画像となる
- ワンタッチホワイトバランスを使用することで自然な色味に近づけるこことができるが、適切なカラーバランスが得られないことがある
- したがって、一般的な被写体の撮影はおすすめできない
- 基本的な操作方法は E-M1 Mark lll と共通
- カスタムモードC1には手持ちハイレゾショットが設定されており、三脚や赤道儀に固定した状態で使用することにより、天体写真における「スタッキング処理」をカメラ内でワンショットで行うことが可能。これにより高精細化とノイズの低減を実現する
- カスタムモードC1、C2の設定は被写体や撮影者の好みに合わせ変更/上書き保存することも可能
- カスタムモードを初期設定に戻す場合は[リセット/カスタム設定]の[リセット]で [フル]を実行する
- カスタムモードC1、C2は「取扱説明書」で詳細を確認できる
- カメラのボディマウント部付近に装着して使用する光害カットとソフトフィルターが2つ付属する。
- ボディマウントフィルターは2つ同時に装着できない。焦点距離が短いレンズの場合は周辺の像が流れる場合がある
昨年、OM SYSTEMより法人向けの赤外線カメラ「IRシステム」が発売されたときに、個人向けの天体撮影専用カメラの発売は難しいと予想していましたが、受注生産という形で実現しました。
基本情報
- 製品名:E-M1 Mark III ASTRO ボディーマウントフィルター セット
- 希望小売価格:327,800円 ※受注生産
- 発売日:2024年7月25日(木)
- 同梱品:光害カット、ソフト効果のボディーマウントフィルター
今年後半にオーストラリアでも発売予定です。北米の発売は今のところ予定なし。
ボディマウントフィルター
OM-1 Mark II、OM-1、E-M1X、E-M1 Mark II、E-M1、OM-5、E-M5 Mark IIIでも使えるボディマウント式の光害カットフィルターとソフトフィルターが同時発売されます。一般価格は以下の通りです。
- 光害カットフィルター 「BMF-LPC01」:¥37,620(税込) 、ナトリウム灯や水銀灯などの人工光源による光をカットする。街灯りの影響があると、夜空は黄色やオレンジ色に色かぶりして写る。本フィルターではこれらの波長をカットして星雲や星座本来の美しさをより鮮やかに写す効果がある。また、東の空から昇る星座や、西の空に沈む星座を撮影するときにも効果を発揮する。光害カット方式は、コーティングによる反射タイプを採用しています。
- ソフトフィルター「BMF-SE01」:¥27,720(税込)、光を拡散することで点光源をにじませ星を強調する。輝きの強い星ほどにじんで大きく写り、色も強調されるため、星や星座を際立たせた写真を撮ることができる。他社製品との比較は未確認で、ご案内は今はできないとのこと。
7/9、OMサポートに問い合わせた内容を上記に反映しました。
BMF-LPC01比較@OM SYSTEM 光害カット方式は色ガラス吸収タイプか? |
BMF-SE01比較@OM SYSTEM ソフト効果は リアプロソフトンNo.100相当でしょうか? → 広角で使用した場合、 極端ににじみすぎないソフト効果(2024、OM SYSTEM) |
STC社の製品に類似しているため、どちらのフィルターもSTC社と協力して作製した可能性が高い。STC社の光害カットフィルターの製品ラインナップは以下の3つ。
- STC アストロ マルチスペクトラ(Ha強調):¥32,010
- STC アストロ アストロ デュオ ナローバンド(Hα、OIII強調):¥51,810
- STC アストロ ナイトスケープ(光害反射):¥24,640
@STC x よしみカメラ |
STC社のフィルターカラーは紫色。BMF-LPC01は水色なので、ぱっと見は「スターリーナイト」系の色ガラス吸収タイプに見えますが、コーティングによる反射タイプとのこと。注意点として”焦点距離が短いレンズの場合は周辺の像が流れる場合がある”とあるが、OMストアの作例には8mm F1.8 Pro Fisheyeが使用されており、気になるほどではなさそうだ。
BMF-LPC01 |
近未来予想
ソフトフィルターについては、KenkoよりLEEソフトフィルターの後継ともいえる「リアプロソフトン」が2024年6月14日に発売されたばかり。出目金レンズ用としては、BMF-LPC01とリアプロソプトンNo.50/100の組み合わせが人気が出そう。
動画・ポートレートの室内撮影では、照明による色かぶりを軽減するために「スターリーナイト」が活用されているが、星景写真用としては、光害カットフィルターにソフト効果を追加した、ボディマウント版「スターエンハンサー」や「スターリーナイトプロソフトン」の登場にも期待したい。
また、E-M1 Mark III ASTROの後継機種として、超高感度撮影やライブGNDに対応した「OM-1 ASTRO」発売の際は、通常撮影もできるようにHaを抑えるシアン系のボディマウントフィルターが同梱されるのではないか。今後は、撮影者の天体撮影のニーズに合わせた多様なラインナップになると予想します。
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個人的には反射防止膜(ARコート)を施したBMF-AR01も欲しかったりする。
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