2022年11月9日水曜日

2022年11月8日(火): 皆既月食の記録

神奈川県は薄曇りのGPV予報で皆既月食の観測は半分諦めていましたが、運良く最初から最後まで自宅のベランダから観ることができました。

下準備(17:50〜)

ベランダに三脚とTP-2を設置。前回の内容をチェック後、同様にハイレゾ写真を撮り続けることにしました。

OM-1とMacをUSB-Cで繋いでOM Captureを起動すると、バッテリーアイコンに⚡️マークが表示されていることに驚く。取扱説明書(P255)によるとOM-1はUSB通信中給電の設定があり、観測中は電源を気にしなくてよくなった。余程の理由がなければ「DCカプラー」の購入は不要でした。

Lumos@App Store」で月の位置を確認すると、昇ってくる位置がほぼ真東でした。位置情報をリセットしても同じ位置に表示される。そこは障害物が一切ない場所なので期待が高まります。レンズを真東に向けて待機していると、煌々と輝く月が真東の低空に現れた。

17:58〜

 

 

ハイレゾショットの選択

OM-1でOM Captureを使って撮影するのは今回が初めてでした。一番驚いたのは、カメラを三脚に設置していても手持ちハイレゾショットが使えたこと。手持ちハイレゾは三脚ハイレゾと異なりISO感度の上限がありません。食の最大でもISO感度を上げてハイレゾショットを実行できるメリットがあります。




撮影中に気づいたこと
  • 三脚ハイレゾショット(80MP)の最大ISO感度はISO1600まで
  • 手持ちハイレゾショット(50MP)の最大ISO感度は制限なし※手持ちは三脚でも選択可
  • シャッタースピードは1/2までに抑えると天王星を点で撮影できた※TP-2は月モード
  • 保存先をSD+PCにすると撮影結果をPCですぐ確認できて便利
  • 部分食側はスポット測光+三脚ハイレゾショットでOK
  • 皆既食側はSH測光+三脚または手持ちハイレゾショットが使える
  • SH測光はISO感度を抑えることができて雰囲気の異なる写真が撮れる
  • スポット測光およびSH測光はLive View画面をクリックして指定する。AFターゲット設定は拡大枠表示がおすすめ


18:09〜 部分食の始まり

18:36〜

18:54〜



MF微調節

OM Captureを使用していて便利だなと思った機能の一つ。レンズをAF駆動の状態(MFクラッチ機構をオフ)にすると、OM Captureの<>ボタンでフォーカスを微調整できます。

ステップレベルは最小の位置に変更

Live Viewをオンにして右下の虫眼鏡アイコンをONにすると、ピントが合っているかどうかを確認しやすくなる。カメラ側の天体向けのAFはPreMF、星空AFと進化してきましたが、さらにPCの大きな画面上でAFの微調整ができてしまうという大変便利な機能です。

LV拡大表示は大気の揺らぎの様子はもちろん、我が家の場合は近くに幹線道路があるので、トラックが通る度に画面が振動して画質に悪影響を与えている事が手に取るように分かりました。

LV拡大倍率はx3で十分でした

 

19:08〜
 

19:25〜

19:45〜

19:55〜



天王星食

  • 月が地球の影にすっぽりと入る皆既月食が8日の夕方から夜にかけて起き、天候が良ければ日本各地で観測できそうだ。国立天文台によると、今回は月食中に天王星が月に隠れる「天王星食」も起こり、小笠原諸島を除く各地で同時に見られる。皆既月食中に惑星食が起きるのは極めて珍しく、1580年7月以来約442年ぶりの天体ショーとなる」(22/11/5、日本経済新聞

 

皆既月食と「惑星食」が同時に観れるのは、安土桃山時代 1580年7月26日(火)の「土星食」以来とのこと。青くキラキラと瞬いていて綺麗な星だなと眺めていましたが天王星だったとは。 

20:37〜

OM-1の撮影の合間に空を見上げると、赤く染まった月が夜空にぽっかりと浮かんでいる。肉眼のイメージも残しておこうとE-M1 Mark IIとM.40-150mm F2.8を持ち出し、こちらは手持ちでお手軽ショット。

肉眼だとこんな感じでした

 

150mmでノーマルショット


スポット測光だとISO感度をどんどん上げる必要があったので、ここでSH測光にスイッチ。少し感度を落として、皆既月食の様子をまた違った雰囲気で撮影することにした。

OM-1 M.300mm F4.0 + MC-20 at 0.6 F8.0 ISO1250 +0.7EV
20:39〜 天王星の潜入


OM-1 M.300mm F4.0 + MC-20 at 1/8 F8.0 ISO1250 +0.7EV
碧く輝き出した


OM-1 M.300mm F4.0 + MC-20 at 0.4 F8.0 ISO1250 +0.7EV
20:42〜 天王星が完全に隠れた状態


20:49〜

21:01〜 月は輝きを取り戻す

21:15〜

OM-1 M.300mm F4.0 + MC-20 at 3.2 F13.0 ISO80 0EV
21:30〜 天王星の出現から9分後

21:41〜

21:47〜

OM-1 M.300mm F4.0 + MC-20 at 2 F8.0 ISO80 0EV
21:48〜 輝く月と天王星

22:00〜

 

撮影枚数は約400枚。17:50〜22:20の4時間半で画面のボタンをポチポチと押しているだけだったが、意外とたくさん撮影していた。後半は少し寒くなってOM-1をベランダに締め出して悪いなと思いつつ、最後まで暖かい部屋で撮影ができた。

撮影を終えて機材を片付けているときに、OM-1のバッテリーが減っていないことに改めて感動した。TP-2を適当に設置したため、定期的に「シンプルフォークユニット2」の微調整が必要だったが、カメラがどんどん便利になっているので、それもまた楽しい作業でした。