コシナのライカMマウント用レンズ「NOKTON classic 35mm F1.4 II SC」を購入しました。
主な仕様
- レンズ構成:6群8枚
- 最短撮影距離:0.7m ※
- フィルター径:43mm
- 最大径x全長:φ55 × 28.5mm
- 質量:189g
※ファインダーで見下ろした時は0.5mで撮影できます。
基本情報
- 製品名:NOKTON classic 35mm F1.4 II SC VM
- 希望小売価格:75,000円(税別)
- 発売日:2019年 6月12日(水)
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ライカの「True King of Bokeh(ボケの王様)」の異名を持つクセ玉「ズミルックスM 35mm F1.4」の外観およびレンズ構成を踏襲して大人気となった「NOKTON classic 35mm F1.4」が、11年振りにリニューアル。マウントアダプターを使用することで、マイクロフォーサーズのカメラでも使用することができます。
マウントアダプター
K&F Concept「LM-M4/3 マウントアダプター」 |
これはふぁんとむさんからプレゼントされたものです。その後、ライカ本やVM & ZM本を買ってみたり、様々なEマウントの先輩方のレビューを読んで思案してきたが、レンズの種類がたくさんありすぎて、気がつけばレンズの迷子に。😅
このまま時間だけが過ぎていき、結局購入できないのがいつものパターンです。それは避けようということで、CP+のコシナブースへおじゃますることにしました。
VMかZMか
2月某日、ライカ素人が恥を忍んでコシナブースでVM & ZMの小型レンズを色々と試させていただいた。この中から、ZMはコンパクトのCが名に付く最短0.7mのC BIOGON 35mm F2.8、VMはNOKTON classicが最終候補として残った。しかし、どちらも甲乙付け難い外観と描写です。
どうしても決められない私に「NOKTONをF2.8に絞って比較してみてはどうでしょう」と的確なアドバイスをもらう。NOKTON classicの描写が大きく劣るとは感じない。
古いm4/3カメラでも夜遅くまで使用することや、ぼけを楽しみたいことを考えると、F1.4の明るさを持つNOKTON classicが優勢となった。
NOKTON classicの歴史
コマ収差や色収差などレンズには悪とされる様々な収差があるが、コシナはズミルックスの描写や性能を研究した上で、描写の美しさに寄与するのは球面収差だということにたどり着く。あえて球面収差を残すことで、コンパクトで艶感のある描写の大口径レンズを作る。これがNOKTON classicシリーズの始まりでした。(2019、マップカメラ)
- 1961年、LEICA ズミルックスM 35mm F1.4
- 1996年、ズミルックスM 35mm製造終了、価格高騰
- 2004年4月、NOKTON classic 40mm F1.4 SC/MC VM 発売
- 2006年、35mm の設計を開始
- 2008年2月、NOKTON classic 35mm F1.4 SC/MC VM 発売
- 2008年、NOKTON classic 35mm F1.4 SC VM ブラックペイント I.C.S 30周年記念モデル(100本) 発売
- 2018年2月、NOKTON classic 35mm F1.4 E-mount 発売
- 2019年6月、NOKTON classic 35mm F1.4 II SC/MC VM 発売
- 2019年9月、NOKTON classic 35mm F1.4 MC VM シルバー マップカメラ 25周年記念モデル(250本) 発売
- 2022年9月、ズミルックスM 35mm F1.4 シルバー復刻‼︎
- 2024年3月、ズミルックスM 35mm F1.4 ブラック復刻(200本)
記念の特別モデルが存在するのもこのレンズならでは。
『フォクトレンダーVM & カールツァイス ZMレンズWORLD - 日本カメラMOOK』(2010年発売) によると、I.C.S(輸入カメラ協会)が特別発注した1型のブラックペイントモデルは、都内で開催されたカメラ市の初日に売り出され、僅か30分で完売。中古相場は24万円ほどで取引されています。
1型と2型の違い
NIKTON classicは、1型と2型が存在します。- 1型(2008年):ミラーレス一眼カメラがまだ存在しない時代に設計・製造されたレンズです。
- 2型(2019年):1型の外観や色調はそのままに、ライブビューの撮影時に違和感のあった像面のうねりや「ピント問題@カメラのナニワ」を解消したモデルです。
SCかMCか
2種類のレンズコーティングが用意されています。
- シングルコーティング(SC):クラシカルな色調、モノクロ向き
- マルチコーティング(MC):ニュートラルな色再現、現代的な描写
SC版は、古き良きオールドレンズの外観かつ柔らかな描写でありながら、絞ればキリッとした描写に変わる。2面性とEVFのピント合わせがとっても楽しい極上のレンズです。
MC版は、ライカ風の外観でありながら現代のコントラスト高めの描写をします。こちらは「ふむふむ」という感じで数分試したのみ。もちろん、MFレンズの楽しさはあるが、解像感はカールツァイスのZMシリーズに軍配が上がる。
また、どちらが人気か尋ねると、階調が綺麗に出るのでモノクロをする人はSCを選ぶ人が多いとのこと。
ちなみにズミルックスM 35mm F1.4のコーティング色は、1stがブルーコート。その後、琥珀色のアンバーコートに変わる。それがNOKTONのSC版と酷似する。
2022年の復刻版11301は無色となり、奇しくもNOKTONのMCと同じように見えるが、開放は1stと同様に霞がかかったような描写で、逆光で虹色のゴーストが出る。
28mmか35mmか
28mmと35mm。どちらの焦点距離も最終的に必要になる事は「中一光学+ズイコーレンズ」で確認済みです。- 家族や友人達を撮影するなら28mm
- ボケを楽しんだり猫を撮影するなら35mm
フォーカルレデューサーレンズの描写は最高ですが、ちょっと重いのと、超小型のGM1に付けるとアンバランスになります。そこだけが残念ポイントでした。
他社状況
LUMIXブースへ移動して、これから35mmを作る予定があるのか質問しました。作りたい気持ちはあるがあまり要望は届いていない様子で未定とのこと。OMやLUMIXからAF対応で最短0.3mの35mmレンズが発売されると大変魅力的ですが、もうしばらく待つ必要がありそうです。外観
こうして長い間、あちらこちらと遠回りをしたけれど、はじめて購入するCosinaのレンズは「NOKTON classic 35mm F1.4 II SC」に決めました!!3/7、注文してすぐにレンズが届きました。箱からレンズを取り出すと、ずっしりとした重みにまず驚く。そして、透き通ったガラス玉とクラシックな風貌にうっとり。
絞りリングのクリック
絞りリングのクリックは、1/2段ステップで選べます。
開放から順に、1.4 1.7 2 2.4 2.8 3.4 4 4.8 5.6 6.7 8 9.5 11 13 16、となっている。
開放から順に、1.4 1.7 2 2.4 2.8 3.4 4 4.8 5.6 6.7 8 9.5 11 13 16、となっている。
試写
3/8、E-M1 Mark IIに付けて撮影を始めました。E-M1 Mark IIはEXIF登録ができるし、ダイヤル操作がとても気持ちいい。本当に良いカメラです。とはいえ2016年製のカメラですので、夜の撮影はF1.4の明るいレンズに助けてもらう作戦です。ピザローラーが一瞬止まる瞬間を狙う |
それにしてもだ。CP+の会場では、NOKTON classicの開放時の写りに一抹の不安があった。正直に言うとあまり好みではない描写のときがあったのだ。それが最後まで決められなかった理由でした。
ところが。不思議なことに。
我が家に届いたNOKTON classicの開放時の描写は、時に淡く、時にキリリとした大好きなオールドレンズの描写そのもの。もうしばらく使えば、このレンズが苦手とする被写体が見つかるかもしれません。
ちょい絞りで撮る
3/18、しばらく外でも同じ組み合わせで撮影しています。どうやら開放F1.4で背景が込み入った場所だと、少しボケが騒がしい描写になる事が分かった。それではと少し絞った。F1.7に。
そうしたら、ライカの写真で見るような、まさにこんな感じの濃厚な発色に変化した。夜なのに艶のある描写に思わず「お前はE-M1 Mark IIだよね」と確認してしまったほど。好きだ。。。。