2019年9月21日土曜日

槍で満喫!3000mの大展望と山で使える便利アプリ

2019年9月13、14、15日の3連休で大天井岳から見た憧れの槍ヶ岳に行ってきました!晴天に恵まれて最高の山行でしたが、上高地からトータル約38kmという未知の領域に試行錯誤の連続でした。

大天井岳山頂より槍を望む@2017年撮影


事前準備〜初日

計画したコースは、上高地から槍の穂先を目指す2泊3日の旅。特にトータル約38kmの距離は未経験で不安がありました。

出発の一週間前に練習で約25kmを歩いてみたのですが、10kmを過ぎて足指の下に水ぶくれ。20kmを過ぎてから右足の膝裏を痛めてしまった。出発直前に水ぶくれと膝裏の痛みは完治したものの不安を抱えたまま現地へ。

行程

  • 一日目:沢渡駐車場〜上高地バスターミナル〜ヒュッテ大槍
  • 二日目:ヒュッテ大槍〜槍ヶ岳〜槍ヶ岳山荘
  • 三日目:槍ヶ岳山荘〜上高地バスターミナル〜沢渡駐車場

上高地まではマイカー規制されているので、駐車場は足湯がある沢渡(さわんど)の「市営第二駐車場」にしました。ここからバスまたはタクシーで「上高地バスターミナル」まで移動します。

上高地観光旅館組合オフィシャルウェブサイト」より

服装

日中はTシャツのみでOKですが、朝夕は冷え込むので薄手のフリース、宿では薄手のダウンジャケットがあると暖かい。レインウェアも防寒着として使用します。登山靴は全体を通して「ライトトレッキングシューズ」がバランスが良い。荷物が15kgを超えるようだと重くソールの硬い「ミッドトレッキングシューズ」が必要になる。


ところが!登山を開始してすぐに膝裏の痛みが再発。自分はどうも膝裏を伸ばして歩いてしまう癖があるらしい。10km地点の横尾山荘でまたしても足指下に水ぶくれが出来てしまったところでテーピング対策。振り返ってみるとトレーニングで無理は禁物だったし、できれば出発までに、「バテない登山技術」の勉強をすべきでした。

残りの8kmは、あまりの膝裏の痛みに途中でストックを松葉杖のように使ったり、両手を広げて元気玉を集めてみたり。山道に落ちていたゴミを拾ったりしてやれることは何でもやった。(;・∀・)

そして槍ヶ岳の穂先が目の前に現れたとき、、、これまでの苦労が吹っ飛ぶほど元気が出たのでした。ゴールまであと少し!

運命の分岐点



だがしかし、この分岐から宿泊先の「ヒュッテ大槍」までは最後の急登が待ち受けているのであった・・


霧が出てきて更に不安を煽るw



自分の心の中に弱気の虫が出てきたり、休みたいと思ったときは短時間でも座って水分補給しました。それが結果的に良かったのか初日は標準タイムでゴール。しっかり水分を摂ることで高山病の予防にもなるんだとか。「ヒュッテ大槍」は、山小屋屈指の料理で実に美味しかった!






二日目は槍の穂先へ

ヒュッテ大槍~槍ヶ岳山荘までのルートは道幅が狭く、絶壁や切れ落ちた登山道を渡る場所が何度もあるので慎重に。万が一の事を考えて「YAMAP保険」を登山前日に申込み。友人達はモンベルの「野あそび保険」に入ってました。



真下から見上げると怪物のよう・・



槍ヶ岳山荘まで2つのルートを見比べると、写真左側の「ヒュッテ大槍」ルートより写真右側の「殺生ヒュッテ」ルートの方が安全だった様子。親子連れはこちらのコースでよく見かけました。





槍ヶ岳山荘に到着。ヘルメットをレンタルして荷物を預けたあと、槍の穂先にチャレンジしました。


西鎌尾根方面の分岐



軽装で安全に登るため、重いリュックサックとデジタル一眼カメラは宿に置いていきました。カメラを入れるための携帯リュックを持参しなかった事をちょっと後悔。でもカメラを斜めがけで登っている人も沢山いてビックリ。

ミスったらどうしようと気分が悪くなったが、横岳の三点支持の経験を思い出して一歩一歩確実に登ることを決意。午前中の早い時間帯だったので、渋滞は殆どなく30分ほどで玉ヒュンの山頂に到着。




GoProは「ネックハウジングマウント」を付けて登っても面白かったかも?登る前は垂直に見えた梯子は近づくと意外と傾斜があり、終わってみれば登りより下山時の方が注意が必要でした。3つ目辺り?の鎖場で一瞬体が揺れて振り返ったときに頭を岩にゴンとぶつけてしまった。ヘルメットが守ってくれてホッとしました。

槍の穂先の風景、狭い!GoProで撮影



360度の大展望を満喫

槍ヶ岳山荘に戻ったあとは、まったりスナップ写真を撮ったり満月の星景写真を楽しみました。3000mの稜線からは360度の大展望。とにかく贅沢な時間がゆっくりと進みます。

 







OM-DとPENで使える「ダイレクト機能」

E-M1系のボディで高速に動作する「ダイレクト機能」は、風景写真で威力を発揮します。

歯車メニュー/B/ボタン機能で✜ボタン機能を「ダイレクト機能」に設定します。撮影中に十字ボタンの上を1回押すと、上下左右でF値と露出。続けてINFOボタンを押すとハイライト&シャドウコントロールの値を変更できます。このモードの時だけ、なぜかボタンの長押しが使えてクイックにF値を変更できます。

  • 上下:F値
  • 左右:露出
  • INFOボタン:ハイライト&シャドウコントロール

具体的には太陽の光芒の長さを調節したり、開放で撮影中にF8まで一気に絞ってシャキっと撮りたいときに使用しました。特に大口径レンズを使用して撮影しているときに便利です。注)液晶モニターにヒストグラムを表示していると動作が少し遅くなります。

  1. 十字ボタンの上をポンと1回押す
  2. 十字ボタンの上または下を長押し
  3. 開放〜F22の間でF値をクイックに調整



F2.8
F8





太陽/月の位置をAR確認できるアプリ

日が沈んできたら太陽と月のARトラッキングアプリの出番です。太陽と月の位置を確認できるアプリがいくつかありますが、私が愛用しているのは「Lumos」(無料)です。(AndroidだとSun Surveyor?($9.99))

操作はシンプルで、下図赤枠をタップして3つの設定を準備した後に画面を撮りたい場所に向けるだけ。画面外に太陽/月があるときは、画面中央に大きな矢印が出て「こっちだよー」と教えてくれる親切設計です。

  • 左上の赤枠:Augmented Realityを選択
  • 左下の赤枠:日付指定
  • 中下の赤枠:太陽と月の切り替え



このアプリは時間別の太陽(または月)の位置が画面に表示されます。この日は十五夜の満月。「Lumos」のARトラッキングで確認すると、月は時間の経過と共に槍ヶ岳から離れていく事を確認できました。槍ヶ岳と満月を一緒に撮りたいと思っていたので、雲海から月が飛び出した直後を狙って撮影することができました。 「Lumos」アプリは、iPhone8以降で使うのがベストです。

月夜の槍ヶ岳

月夜の槍ヶ岳


画面右下の日の出(Rise)の時刻も正確でした。山頂の朝の時間はとても貴重です。星景写真であれば日の出の1時間前まで撮影を楽しめますし、日の出の前にトイレに行っておこうとか、荷物を整理しておこうなど色々と考えて行動しやすくなります。



最後はフィッシュアイPROで星空撮影

月夜の晩ですが空には星が見えてきました。今回の山行で持参したレンズは、M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PROと8mm F1.8 Fisheye PROの2本だけでしたが、描写が大きく異なるためレンズ交換を楽しめました。いつか赤道儀と40-150mm F2.8 PRO, 17mm F1.2 PROを持参して一晩中ガッツリ撮ってみたい気もします。




三脚忘れちゃって大変でした(*_*;



 
ヒュッテ大槍も槍ヶ岳山荘もお風呂は無いので、携帯用の手ぴかジェルなどを持参するとよいです。




最終日、命の水

槍ヶ岳山荘〜上高地バスターミナルまでは22km。初日の行動を反省して足裏をテーピングでガチガチに。不思議なことに?テーピングのお陰か膝裏の痛みは2日目から徐々に無くなり、3日目の朝には完全に痛みが消えていた。

3日目はドピーカン




上高地のゲートは19時で閉鎖されるため、早朝に出発して時間的に余裕があったが・・結構早いペースでガンガン下ってしまった。体の異変に気付いたのが出発から4km地点のパパ平周辺。熱中症の状態になり、かなり焦った。アンダーウェアを脱いで槍ヶ岳山荘の天水を一本飲み干し、槍沢ロッヂでも1Lの水を摂取しました。サポートタイツは日焼けや寒さ対策として心強いアイテムだが、下山時は私の体に向いていないのかも。




一ノ俣〜河童橋までは苔の森が続きます。初日は足の痛みで全く余裕がなかったので、写真を撮るのが楽しくて。槍沢ロッヂのりんごシャーベットで全回復して熱中症の症状もなくなった。







徳沢ロッヂのアイスクリームを堪能したあとは、またペースが早かったんでしょうね。河童橋で脚が破裂するかと思うくらいパンパンに。タクシーで沢渡駐車場に戻り(バスは大行列)、足湯と松本IC近くの「湯の華銭湯」でサッパリしてから帰路につきました。

長距離を歩くことで、歩き方の癖や限界が分かった槍ヶ岳登山。今後は、通常の装備に加えて、日頃から足回りのケアを大切にしようと考えています。





 

 写真:E-M1MarkII + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO

 

 

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