2019年1月26日土曜日

OLYMPUS OM-D E-M1Xと今後の予想

各社ミラーレス一眼シフトが鮮明になる中で登場したオリンパスのフラッグシップ機「OM-D E-M1X」の気になる製品特徴を調べてみました。



基本情報

  • 製品名:ミラーレス一眼カメラ「OLYMPUS OM-D E-M1X」
  • 希望小売価格:オープン価格、初値328,530円
  • 発売日:2019年2月22日(金)


禁断の「ダブルTruePic VIII」 採用

OM-D E-M1Xの製品紹介ページの中で、注目したのが「ダブルTruePic VIII」。これ、キヤノンのフラッグシップEOS-1DX MarkIIや超高画素モデル5DsRなどで、ノイズ低減や画質向上に実績のある技術のようです。

現時点ではダブル画像処理エンジンによるものか不確定な情報だが、歯車メニュー/E1の低感度画像処理(Low ISO Processing)メニューから「速度優先(Drive Priority)」と「解像優先(Detail Priority)」という2つのモードが選択できる。

デフォルトの「速度優先」を「解像優先」に切り替えて撮影すると、2段階のノイズリダクション処理によりISO800〜ISO1600で明らかに画質の向上を確認できるのだそう。→同じ機能がE-M1 Mark II Ver.3.0にも搭載された。従って、E-M1Xは画質を更に向上できる可能性を持つが、ダブル画像処理エンジンの性能を活かしきれていない?

ISO感度が低い設定で撮影した画像にかける、画像処理の方法を設定します。※この機能は、静止画撮影の機能です。

連写優先(デフォルト):連写継続枚数に影響を与えないように画像処理をします。
解像優先:解像を優先した画像処理をします。


また、最新のチューニングで、従来より肌の滑らかな階調や演色性に優れているとのこと。この辺りの話は、パナソニック G9 PROの「色再現性、色補正精度向上」のニュースで話題となりましたが、最新デジタルカメラのトレンド技術の1つなのでしょう。

MFTの画質はまだまだ進化する?

カメラを大型化した理由

オリンパスは中判デジタルカメラを開発検討していたようだが、最終的にMFTのグリップ一体型ボディを採用することで「ダブルTruePic VIII」によるインテリジェント被写体認識AF、手持ちハイレゾショットやライブNDなどの最先端機能の実現だけでなく、プロフェッショナルモデルとして「OM-D E-M1X」を信頼性の高い製品として完成させることができた。

これまで、小型カメラの製品開発に注力していたMFT陣営にとっては「やりたくてもできない」項目の数々。おそらく社内でも意見の対立はあったのでは?今後の6〜8K動画や超焦点レンズ対応のためと言われれば納得できる。

一層の事、Lマウントに参入してフルサイズCMOSセンサーを搭載してはどうだろうか。

OM-D E-M1Xの放熱構造



約1.65倍のプログレッシブ方式EVF

非球面レンズや屈折率の高いガラスを使用した4枚構成の光学系を新採用。表示タイムラグは、E-M1 Mark IIと同じ0.005秒。海外のレビューによると、ディスプレイの走査方式はE-M1 Mark IIから引き続き、従来の一般的なインターレース方式からプログレッシブ方式を採用。一般的なEVFより暗所での表示の乱れがないとのこと。

歯車メニュー/D2のフレームレート高速(120fps)と組み合わせると、動きの速い被写体の追跡が容易になる。

ファインダー表示のフレームレートを上げて、動く被写体をなめらかに表示します。動きの速い被写体などが追いやすくなります。

標準
(デフォルト):通常のフレームレートで表示します。
高速:被写体の動きが速くてもなめらかに表示します。動きの速い被写体を追いやすくなります。撮影中にカメラ内部が高温になると、自動的に[標準]に変更されます。


”プログレッシブ方式”はE-M1Xのニュースリリースに明記




低照度環境でのEVFブラインドテスト

  1. X-H1   (369) > X-T3 (369)
  2. E-M1X (236) > E-M1 Mark II (236) ≧ E-M5 Mark III (236)
  3. EOS R (369) > EOS RP (236)
  4. α7 III  (236) ≧ α7R III (369) 
  5. Z 50   (236) ≧ Z 6 (369)
残念ながらE-M1 Mark IIIはケースの中。展示してあったカメラを順番に覗いてみたが、上記のような結果となった。特にX-H1とE-M1Xが素晴らしく、所有したくなった。X-H1のEVFはワイドすぎて賛否あると思う。まさかシネマカメラ用途だろうか?

高解像度のEVFは広角24mmレンズを付けて左右に振ると酔う。逆にモアレが目立つなどEVFの弱点が浮き彫りとなった。

下位にしたがα7 III とZ 50は好みのEVFで、あとで236万ドットと知って驚いた。

有機ELのEVFは昨年10月のオリンパスプラザでは違和感があったが、今回は特に悪い印象は無し。最近は自分が触れるデバイスは全て昼光色を抑えるモードに設定しているので、好みが変わった可能性がある。




関連リンク






今後の予想

ということで、E-M1Xの技術はE-M1 Mark IIIまで体験できそうにない。しかし、E-M1Xに伸るか反るかは先立つものがないと決断できません。


進化するプロフェッショナルモデル「OM-D E-M1X」と「OM-D E-M1 Mark II」。まもなくリリースされるであろう?E-M1 Mark II Ver.3.0で対応される機能とは・・

注)現時点は予想です。


ファームウェア更新で”対応不可”の機能リスト(E-M1X独自) 


ダブル画像処理エンジン機能

  • 手持ちハイレゾショット
  • インテリジェント被写体認識AF(ヘルメットAF、コックピットAF)
  • 起動時間の高速化
  • ライブND

物理的に不可
  • 約1.65倍のプログレッシブ方式EVF
  • GPS、フィールドセンサーシステム
  • USB PD給電/充電
  • SDセカンドスロットのUHS-II対応
  • マルチセレクター
  • Bluetooth接続
  • ハイレゾ録音
  • カメラコントロール:Wi-Fi接続(E-M1Xは5GHzに新対応)
  1/28 - OM-D E-M1Xのカタログが公開されました。




ファームウェア更新で”対応しそうな”機能リスト(E-M1Mark II)


スチル関連

  • クイック画像選択:ムービーボタンを押しながらダイヤルを回して画像選択
  • AFターゲットモード:5x5 25点
  • C-AF+MF(AF+MF: On)
  • ISO LOW 100
  • アートフィルター:ネオノスタルジー 
  • フリッカーレス撮影

動画関連

  • OM-Log400:3D-LUT File for Blackmagic Design DaVinci Resolve(Download
  • 動画AF:位相差AFの活用とアルゴリズムの改善により迷いのないピント合わせを実現



2019年6月19日(水)Ver.3.0正式リリース!

サプライズの更新内容

  • E-M1XのAFアルゴリズムを採用
  • C-AF中央スタート
  • C-AF中央優先
  • 高感度時ノイズを約1/3段改善
  • AF低照度限界-6EV
  • 静止画撮影時の解像優先機能を追加
  • S-AFでクラスター表示可能
  • LVブースト2にLV表示速度優先モード追加
  • 高速USB RAW現像処理機能を追加
  • 深度合成の撮影枚数3~15枚対応およびガイド線表示追加
  • SDカード書き込み中に再生や設定変更が可能
  • モニターを開いた状態でアイセンサー動作可能
  • Mモード時に露出補正ボタン動作可能
  • CWBでホワイトバランス補正可能
  • WBA時にINFOボタンで電球色残し設定可能

E-M1 Mark II Ver.4.0にて対応?
  • マイメニュー:利用頻度の高いメニュー項目を最大35項目(5タブx7項目)まで登録できる
  • 縦横AF個別設定
  • カスタムAFターゲットモード
  • 120fpsハイスピードムービー




隣の芝は青い?私の願望リスト

キヤノン20Da、60Da、ニコンD810Aなどの天体向けカスタマイズモデルは、発売から大分時間が経過しているが未だに人気機種です。天体用に少しカスタマイズするだけでオリンパスのカメラもそんな存在になれると思う。

例えば・・
 
  • GPSユニット

    ペンタックスのデジタル一眼レフカメラに搭載されている「アストロトレーサー」。GPS未搭載機種向けには、外付けの「GPSユニット O-GPS1」を用意しています。

50mm以下は無敵の露出5分?(Pentax仕様


  • 夜光ボタン交換サービス

    E-M1Xはボタンの手触りや段差を変えることで夜間時の撮影に対応したようですが・・外観カスタマイズでこんな特別サービスがあったら嬉しい。天体だけかと思いきや、花火撮影やブライダル撮影など様々な分野でボタンイルミ搭載を願う意見は多い。

ニコンはイルミネーション対応(Nikon仕様



  • Firmware for ASTRO Edition


    LIVE BULB, LIVE TIMEにハイレゾショット。初心者向けの機能?と考えているのかISO上限は1600。電子シャッターで60秒の長秒撮影できる貴重なカメラなのに、BULB, TIMEモード撮影だけに限定しているなんて勿体無い。E-M1 Mark II 以降のカメラのISO上限は、LIVE撮影のときもこちらで自由に決めさせて欲しい。また、TIMEは、1分、2分、4分という間隔は大きすぎて不便。露出1分以内の動作と同様に10秒間隔が3分まで続くと使い勝手が向上する。

    OLYMPUS Capture」は、天体撮影の用途としてもかなり使い勝手が良い。なので、スマートフォンやタブレットに完全移植して出先でも使用したい。その時は、Mモードの機能全てを遠隔操作できるようにして欲しい。PC版でも微妙に機能制限があるのはなぜだろう(・・?



ソニーは、C-AF+トラッキング技術で他社を引き離す。この分野はパナソニックと切磋琢磨していくのでしょう。AIなどの自動化の波は避けられないが、他社にはない優位性を作れるかどうかが生き残る鍵となります。



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