OM Capture
State-of-the-art tethering software that assists the professional studio photographer
極軸調整の見える化
月刊天文ガイドで「マイクロフォーサーズは天体写真と相性いいですよ。やらなきゃ損!」という記事を読んで始めてみたわけですが、特に苦戦したのが北極星の見えないベランダで極軸を最終調整する方法です。ポラリエ、スカイメモ、SWAT、TP-2などのポータブル赤道儀を真北に向けて設置するのは難しくないと思うのですが、撮影を開始した後は完全にブラックボックスです。毎晩、BULB撮影後の星が止まった?止まらない!と一喜一憂していた訳ですが、これって事前に結果が分かるようにすればいいのでは?と考えました。使用レンズ
長焦点レンズであればあるほど高精度に調整できると思います。今回は星野写真の定番レンズ「M.ZUIKO 40-150mm F2.8 PRO」を使用しました。【重要】下準備
- 三脚と微動雲台を水平にする
- ポータブル赤道儀を真北に向ける
- 南天の子午線上の赤緯0°にカメラを向ける
- カメラとPCをUSB接続する
- 「OLYMPUS Capture」を起動してグリッドを水平・垂直1本ずつ追加。色は赤がいいかな。
- LV拡大モードを14倍に設定、LVブーストは2を選択 (ちなみにE-M1MarkIIのLVブースト2は初代E-M1のようにカクカクしません)
極軸調整(LIVEドリフト)
- 南天の赤道(オリオン座であれば三ツ星付近の赤緯)にカメラを向けます。子午線よりやや東寄りの向きが調整しやすいかもしれません。
- レンズをテレ端の150mmしてピント合わせします。OLYMPUS Captureの画面を見ながらピントリングを回します。
- 適当なターゲットの星を選び、マウスでクリックして白枠を移動します。
- LV拡大モードをクリックします。星の位置が気になる場合は、赤丸のボタンで星の位置を調整できます。中心に拘らなくてもよいです。
- グリットの赤い線を移動して星にクロスさせる。
- ストップウォッチをスタートして、PCの画面をぼーっと見つめます。星が上下左右いずれかにグリットから離れたらストップウォッチを停止します。
- 微動雲台を使って調整します。
- 星が画面上に移動→赤経調整:赤道儀を左(東)に向ける(右手を時計回りに回す)
- 星が画面下に移動→赤経調整:赤道儀を右(西)に向ける(左手を時計周りに回す)
- 星が画面左に移動→赤緯調整:赤道儀を向かって手前に起こす(右手を時計回りに回す)
- 星が画面右に移動→赤緯調整:赤道儀を向かって後方に寝かす(左手を時計回りに回す)
- 星が画面斜めに移動→三脚・微動雲台を水平にする、機材のバランス調整を確認する
- 手順4,5,6,7を繰り返します。参考まで、所有するユニテック微動雲台の移動量の目安は以下の通り。微動雲台のネジを回す時は、PCの画面を見ながら対になるネジを両手で持って一緒に回すとより正確に調整できる。
星の移動量の目安:ストップウォッチの停止時間が・・ - 1分以内:星が画面の外にはみ出る程度
- 1分半前後:星4〜5個分
- 2分前後:星1〜2個分
星がグリットに掛かっている時間=星を点で撮影できる露出時間です。星が留まる時間が30秒以下のときは、土台の三脚・微動雲台が水平であるか確認します。TOAST TP-2の極軸調整では、露出が1分半、2分と伸びていきました。撮影前に必ずチェックすれば、ストレス無しで長秒撮影できそうです。
極軸調整を終えて月が輝く中で、オリオン座をパチリ。事前に確認した露出2分まで安心して撮影できたのですが、月明かりが凄くて結局露出1分の写真を採用しました。プロソフトン-Aフィルターは星景写真を始めたときに購入したものですが、こんなに雰囲気が良くなるなら早く使えばよかった。星野写真でもおすすめのフィルターのようです。
月下のオリオン ドイツ式TP-2 + E-M1MarkII + M.ZUIKO 40-150mm F2.8 PRO (フィルター:Kenko PRO SOFTON-A) |
外出先の課題
外出先ではE-M1MarkII本体の液晶モニターだけで実現可能?いや拡大時にグリッドを出せないから厳しいか。スマホアプリ「OI.Share Ver.4.0.1」のMモードは制限だらけで使えない。OM Capture for iPadが出てくれたら最高なんだけど・・
→読者の方が、カメラの液晶モニターに「十字を書いたアクリル板」を貼ることで、拡大時にグリッドがでない問題を回避。カメラ単独で「ライブドリフト」を実現できたとのことです。すごい!(2019/3/22、Link)
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