装着するだけでMTFが向上する「LTII EF-m4/3」にAI Nikkor 50mm F1.8Sを装着すると、写りはどうなるでしょうか。
主な仕様
- レンズ構成:5群6枚
- 最短撮影距離:0.45m
- 最大撮影倍率:0.15倍
- フィルター径:52mm
- 最大径x全長:φ62 x 29mm
- 質量:175g
基本情報
- 製品名:AI Nikkor 50mm F1.8S
- 希望小売価格:10,500円
- 発売日:1979年
- Exif登録:ダウンロード
「ニッコール千夜一夜物語」によると、1980年に発売されたリトルニコン「NIKON EM」用レンズとして発売された。購入したものを「ニッコールシリアルナンバー検索」で調べたところ、1982年の製造品のようです。
外観
購入したのは国内版の金属外装/最短0.45mバーションです。シリアルナンバー4000001以降は海外向けバージョンで、鏡胴はプラ外装/最短0.6mと寄れないものが存在します。
レンズフードは、ユーエヌオリジナルアルミ削り出しドームフード「UNX-5289」を選びました。
ニコンF-EOSマウントアダプターは、K&F Conceptの「KF-NFEF」にしました。リングを外すときは、マウントアダプターの裏にある爪を押しながら回す必要があります。商品ページの解説動画は片手ですが、右手で爪を抑えた状態にして左手で回す方が外しやすい。
これがOM-EOSリングと違って取り外しが非常に面倒臭いのと、ニッコールレンズは絞りリングがマウント側にあるので、絞り値が変更しづらい欠点があります。 ニコンFマウントのレンズを沢山所有している場合は、素直に「LTII N/G‐m4/3」を購入するのが吉かもしれません。
LTII N/G-m4/3 |
しかしこれで、CP+2023で話題になったコシナが5/16に発売するニコンF用の新レンズがm4/3でも使えてしまう訳です。しかも40mm F0.9というレンズに生まれ変わる。
ニコン Z fc
ボディが「ニコン Z fc」の場合は、素直に「LTII N/G-NZ」アダプターを購入するか、、、
LTII N/G-NZ |
ニコン メタルレンズフードHS-4
— Kenji Irie (@shunmana) December 30, 2021
Nikkor AUTO 105mm f2.5は細身でZ fcにフィットします。Lens Turbo Ⅱ N/G-NZで、105mm f1.8??#nikonzfc pic.twitter.com/QZ6J2ClYnC
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変則的だが「LTII EF-NZ」に上記のNF-EOSアダプターを装着する方法があります。
LTII EF-NZ |
試写
OM SYSTEM OM-1にLTIIとKF-NFEFを装着して撮影を開始しました。絞り開放はコントラストが低めで、順光でグリーンフリンジが出やすい描写は「ZUIKO MC AUTO-S 50mm F1.8(LTII)」に似ています。
OM SYSTEM OM-1 AI Nikkor 50mm F1.8S at 1/10 F1.3 ISO400 -0.3EV |
ボケ味はちょっと派手めで、同じ焦点距離でもズイコー50mm 1.8(画角47度)とニッコール50mm F1.8S(画角46度)の差が若干あります。
左:ズイコー50mm F1.8 右:ニッコール50mm F1.8S |
ズイコー50mm F1.8は、背景のぼけが目立たず主題を引き立てている。一方、AIニッコール50mm F1.8Sはメリハリのある描写です。気になる点としては、逆光の開放絞りのときパープルフリンジや、、、
左:ズイコー50mm F1.8 右:ニッコール50mm F1.8S |
左:ズイコー50mm F1.8 右:ニッコール50mm F1.8S |
左:ズイコー50mm F1.8 右:ニッコール50mm F1.8S |
左:ズイコー50mm F1.8 右:ニッコール50mm F1.8S |
改めてLTIIとは
9年前に購入した「ニコンF−M4/3マウントアダプター」によるズイコーと比較した結果を改めて見ると、今回と全く同じ描写傾向であることが分かります。LTIIは、フォーカルレデューサーレンズを経由しているが、レンズの個性を維持したまま、画角を0.7倍広げてF値を0.7段明るくしてくれるアイテムと言えます。少なくとも、購入したアダプターは当たり🎯のFRレンズで良かった。
OH後の結果
AI Nikkor 50mm F1.8SのOHを行ってみました。ズイコーと違って、メンテナンスが非常にしやすい内部構造です。OHは、主に前玉/後玉のクリーニングとヘリコイドグリスの交換を行いました。
ヘリコイドを装着する位置は、以下の手順でねじ込むとピッタリ収まる。
- 鏡胴を無限遠に合わせる
- ヘリコイドの2つの溝と鏡胴の2つの溝が180度対称になる位置に合わせる
- ヘリコイドをねじ込む
- 2つの溝の位置が揃うまで回転させる
- ストッパーを装着してネジ止めする
OM SYSTEM OM-1 AI Nikkor 50mm F1.8S(LTII) at 1/100 F1.3 ISO1250 +0.7EV |