2013年に登場したLUMIX DMC-GM1は、発売からすでに10年以上が経過している。にもかかわらず、中古市場での人気は衰えず、いまも「もう一台」と手を伸ばすユーザーが絶えない。なぜこのカメラはここまで愛され続けるのか。
設計の密度が、時間に耐える
GM1のボディにはマグネシウム合金が採用され、3連ダイヤルにはアルミ削り出しが使われている。98.5×54.9×30.4mmという極小サイズでありながら、手にしたときに「安っぽさ」を感じさせない理由はここにある。
小さいカメラはどうしても「おもちゃ感」が出やすい。それを防いでいるのが、素材の選択と表面処理の密度です。GM1はiF DESIGN AWARDとGOOD DESIGN AWARDをともに受賞しており、日経デザイン編『素材とデザインの教科書』にはマグネシウム加工の事例として掲載されている。「小さいから安い素材でいい」という発想が一切ない。その姿勢が10年後の中古相場にも現れています。
GM1をデザインした人物
このカメラをデザインしたのが吉山豪氏だ。
1967年京都府生まれ。京都市立芸術大学でプロダクトデザインを学び、1991年に松下電器産業(現パナソニック)に入社。D-snapシリーズでiF DESIGN AWARD金賞を2度受賞するなど、デジタル機器デザインの第一線を歩んできた人物です。GM1とLF1だけでなく、LEICA DG LENSシリーズのデザインも担当していた——マイクロフォーサーズユーザーには見逃せない事実である。
2021年にはパナソニック社内の高度専門職制度でクリエイティブ・ディレクターに就任、翌年はチーフ・クリエイティブ・ディレクターとしてくらし家電全般のクリエイティブをリードした。そして2025年にパナソニックを退職、2026年4月より武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科の教授に着任している。約34年間のメーカーキャリアを経て、次世代のデザイナー育成へと軸足を移しました。
「小さい+本格性」が揃ったとき
GM1が支持され続ける理由を自分なりに言語化すると、こうなる。
「小さい」だけならコンデジで足りる。「写りがいい」だけならもっと大きなカメラでいい。GM1が特別なのは、ミラーレスとしての本格性を持ちながら、コートのポケットに入るサイズを実現した点にある。この2つが揃った瞬間、カメラとしての存在意義が一段上に跳ね上がる。
GM1以降、パナソニックはその路線を継続しませんでした。だからこそGM1は「完成形のまま終わったカメラ」として記憶されている。完成形のまま終わったものは、時間が経っても古びない。
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更新履歴
- 2021/3/5、歴史に残るデザインの理由の記事公開
- 配信日時:2021年3月13日(土)14:00~15:00
- 詳 細:2022年度オープン予定の大阪中之島美術館の植木氏が「インダストリアルデザインアーカイブズ研究」を通じて出会った銘品を紹介。後半は若手デザイナーたちが植木氏と一緒にレジェンドになった商品に実際に触れて、「歴史に残ったデザイン」の理由を探ります。
- コメント:LUMIX DMC-LF1、DMC-GM1をデザインした吉山豪氏が出演します👀
- 歴史に残るデザインの理由 - 3rd Anniversary 新発見 パナソニックミュージアム - お知らせ一覧 - パナソニックミュージアム - Panasonic
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