オリンパスのスタンダードレンズシリーズに、「ライト・バズーカ」な超望遠レンズが加わりました。2020年9月の「レンズ売れ筋ランキング」は、全体で第3位と好調です。納期1.5ヶ月待ちの人気の秘密を探ります。
主な仕様
- レンズ構成:15群21枚(レンズ構成図&MTFチャート)
- 防滴処理:防塵防滴機構(IPX1)
- 手ぶれ補正:3段
- 最短撮影距離:1.3m
- フィルター径:72mm
- 最大径x全長:Ø86.4 x 205.7mm
- 質量:1,120g(三脚座を除く)
基本情報
- 製品名: M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
- 希望小売価格: 198,000円(税込)、初値142,560円
- 発売日: 2020年9月11日(金)
- 同梱品: レンズフード(LH-76D)、レンズキャップ、レンズリアキャップ
外観
レンズ先端の青いリングとピントリングの形状が、フォーサーズ後期の「ZD 70-300mm F4-5.6」を思い起こさせるデザインです。十数年後に、こんなにかっこよくなっちゃって。
E-M1 Mark II + M.ZUIKO100-400mm F5.0-6.3 IS |
付属フードは逆差しOK |
三脚座はアルカスイス互換 |
PROレンズと同等の防塵防滴性能 |
MADE IN JAPAN |
ローレット
ズームリングのローレットがスタンダードレンズ共通の形状ですが、これだけ横幅が長いと逆に印象的です。すこし固めの感触で、左手をレンズに添えるよりも親指を下にして握ると回しやすいでしょうか。
直進ズーム
フードを持ってまっすぐ押し出すことで素早くズームできる「直進ズーム」に対応しています。ズーム機構が持ち運びのときに勝手に伸びないように「LOCK」スイッチが用意されていて、100mmの位置で固定できます。
カメラのグリップを握った状態で、右手の人差し指を伸ばすとLOCKスイッチが届く場所にあり、よく練られて設計されていることが分かります。
スタンダードレンズでありながら防塵防滴、三脚座はアルカスイス互換、スイッチ類がPROレンズ並に充実しており、これが人気の理由の1つでしょう。
しかもM.ZUIKO 100-400mm F5-6.3 ISは、オリンパスのテレコンバーターMC-14(1.4倍)とMC-20(2倍)に対応しています。光学性能をあまり低下させずに焦点距離を伸ばすことができるアイテムですが、それぞれ装着したときの操作性に違いがあります。
MC-14装着図
MC-14を装着すると、140-560mm F7-9のレンズに生まれ変わる。今回の試写で1番の収穫は、560mmでスナップ写真を撮るのが楽しいと発見したことです。とても新鮮で夢中になれた瞬間でした。
MC-20装着図
かなり遠くの世界をギュンと目の前に引き寄せることができる。撮影していると(凄すぎて)なんだか頭がおかしくなりそうだ。200-800mm F10-13は、自然の中で撮影すると更に威力を発揮しそう。
E-M1 Mark II ファームウェアVer.3.3との組み合わせは、テレ端でAF精度が若干甘くなる印象です。しっかりホールドして、ピントを確認しながら撮影する必要がありました。
試写
2020年9月11日(金)〜23日(水)、オリンパスプラザ東京で「オリンパス自然風景フォトウィーク 2020」が開催されました。イベント期間中に3時間制の「M.ZUIKOレンズの無料貸出サービス」があり、「M.ZUIKO 100-400mm F5-6.3 IS」の無料レンタルを申し込みました。
レンタル当日は曇のち雨の予報で、カメラとレンズが防塵防滴仕様なので、自分もキャプチャーV3および登山用レインウェアを持参してガチ装備で挑みました。(でも雨降らず😅
F値が暗めのレンズなので、光と影を探しながらの撮影となりました。でもその作業が意外と楽しかったり。ISO感度の上限をM.300mm F4に合わせてISO1250に設定していたのですが、被写体ぶれが目立ちます。このレンズで曇り空の場合、どこまで上げるべきだったでしょうか。
しかし、ボディ内5軸手ぶれ補正のお陰か、離れた位置から狙えるテレマクロ性能にメリットを強く感じましたし、仕様通りにズーム全域で同じ画質を安定して得られることを確認できました。
超望遠+テレコンの世界
次に注目したのがテレコン装着時の描写です。気付いたのが終盤であまり試せなかったのですが、560mmの画角とボケの描写に「ビビッ」ときました。
スナップ写真を撮影する時に自分の好きな画角があって、これまでフォーサーズでは、17mm、25mm、42.5mm、135mmだったのですが、今回新たに560mmが加わりました。
以下、少しだけですが560mmで撮影した写真です。ちょっと伝わらないと思いますが、、なんだろうこの感覚。ずっと撮影していたいと思いました。
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