2020年4月6日月曜日 更新:

登山・キャンプにおける感染症

比較的リスクが低いと言われている登山やキャンプ場において、どういったことを気をつけるべきか調べてみました。



山小屋の新型コロナウイルス対策

山小屋の多くは、4月は休業してGWからの営業を目指している。宿泊人数を制限したり、定期的に換気できる設備や個室に改装するなどの対応を進めているが、無症状感染者による感染拡大のリスクがあるため、都市部の流行が終息するまでは根本対策するのが難しい状況だ。国立公園・尾瀬ヶ原の尾瀬小屋は、2020年の休業を決定。営業状況に変更がある場合はホームページでお知らせされる。

→ 4/11、緊急事態宣言を受けて、多くの山小屋でGWの営業中止が発表されました。



マダニ媒介ウイルス

  • 流行時期:4〜11月
  • 症  例:60〜90件/年
  • 潜伏期間:6〜14日
  • 臨床症状:発熱、下痢、嘔吐、筋肉痛など
  • 致死率:10~30%

マダニ類に噛まれたときに、SFTS、日本紅斑熱ツツガムシ病など様々なウイルスに感染してしまう事例がある。対策としては、足・手・首の肌を露出しないこと。忌避剤は、ディートとイカリジンの2種類が流通している。マダニ類が散歩中のペットに寄生して持ち帰ってしまい、自宅で騒ぎになるということもある。


ディートは使用時の年齢制限や回数制限があるので、一般向けにはドイツの製薬会社が開発したイカリジン成分が配合されたものが普及している。家族とキャンプに出かけたときに、子供たちに虫除けスプレーを使ったりするが、成分まで気にしたことはなかった。



(参考)ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ媒介ウイルス

デング熱は、フィリピン、カンボジア、タイ、ベトナム、マレーシアに渡航して、感染する事例が近年急増している。登山やキャンプとは直接関係ないが、感染した人が帰国後に発症したあとに蚊を介して他の人に感染させてしまう病気です。
  • 流行時期:5月中旬〜10月下旬
  • 症  例:308件/年(直近5年の平均)
  • 潜伏期間:2〜14日
  • 臨床症状:発熱、頭痛、発疹、筋肉痛など

熱帯地域で足・手・首の肌を露出しないことは難しいので、デング熱の流行地域へ行く場合は、虫除けスプレーを使用するなどの対策が必要だ。




(参考)シナハマダラカ媒介ウイルス

熱帯熱マラリアは、アフリカやパプアニューギニアへの渡航で最も感染例が多く、帰国後1ヶ月は発症リスクが高い。抗マラリア薬を、渡航1〜2日前から滞在中に服用する。
  • 流行時期:雨季の後半
  • 症  例:60〜90件/年(全て海外で感染)
  • 潜伏期間:12〜35日
  • 臨床症状:発熱、頭痛
  • 致死率:15~20%

流行地域では夜間の外出を避ける。蚊が近づくような水たまりを放置しないなど。



海外へ渡航する際は、厚生労働省検疫所などで感染症の流行状況をチェックするのが良いでしょう。

  

あとがき

日本古来からある感染症に注意するだけでなく、輸入感染症の事例が今後は増える傾向にありそうだ。感染症を恐れるだけでなく、正しく理解して配慮できる人になりたいものです。




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