日本カメラ博物館所蔵のオリンパスM-1があるというので見てきました。
オリンパスM-1
1972年発売のオリンパスM-1を、2022年発売のOM-1で撮影しました(笑)M-1に付いているレンズは、米谷氏が晩年に愛用していた「ZUIKO AUTO-S 40mm F2」ですね。
こんなM-1あったっけ? |
見て、すぐに違和感がありました。
M-1ロゴの刻印は黒く、露出計スイッチレバーに白い塗装がありません。そして、フィルム巻き戻しクランクに「F.MATSUDA」の文字。ロゴを黒く塗ったのか。いや、そもそもM-1の黒ってあったかな?
F.MATSUDA? |
M-1試作機
写真機商コウジヤさんによると、これは一般には販売されなかった試作機らしい。ロゴに白の刻印が入っていないのが特徴です。1972年6月の「M-1」発表会の際に、関係者や写真家に20~30台ほど配ったものが「オリンパスM-1ブラックペイント」として存在する。
という事は、「謎のブラック塗装のOM-1」も試作機だったりして。
F.MATSUDA?
フィルム巻き戻しクランクに刻まれているF.MATSUDAさんを調べてみると、すぐに見つかった。写真家の松田二三男氏(1918-2003) 、イニシャルは製品名と同じMだから、特別好きなカメラの1つだったに違いない。「オリンパス・カメラ・クラブ会報誌」の1972年7月号に「試用レポート~その印象と解説~」を執筆されています。
米谷美久著「オリンパス開発物語」によると、「M-1」の試作〜発売までの道のりは以下の通り。
- 1970年12月:「M-1」第1次総合試作 - 外装の確認用、撮影は不可
- 1971年05月:「M-1」第2次改良試作 - ステンレスマウントに決定
- 1971年08月:「M-1」第3次試作 - 露出計の精度向上
- 1971年11月:「M-1」量産試作1回目(57台) - 10万回のシャッター耐久テスト
- 1972年02月:「M-1」量産試作2回目(195台) - ショック・アブソーバー改良
- 1972年05月:「M-1」本格量産
- 1972年06月:「M-1」発表会
- 1972年07月:「M-1」発売
松田氏は、晩年に40mm F2を愛用していたのだろうか。マニュアル操作の楽しさと実用性を兼ね備えているレンズで、OM-1デジタルと組み合わせた写りも最高です。なぜかみんなを笑顔で撮れる。うむ、大事にしよう。
28mm F1.4で使用中 |
M.150-600mm F5.0-6.3 IS
OMブースは大盛況で、M.150-600mmをなかなか触れませんでした。意固地になって絶対最初に触るのは新製品と決めていたので、やっと順番がきて「やったー」と思ったらこのレンズがとっても重い。腕がぷるぷるしてしまって情けないの一言。全体的にエラストマー加工されているのか弾力があり、持った感触はいい感じ。
フォーサーズレンズっぽい |
M.150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
せっかくだからと対にあったM.150-400mm を持ってみたら「めっちゃ軽い!!」しかも説明員の方の説明がお上手で、めちゃくちゃ欲しくなってしまった。OM-1デジタルのアイカップを設計された方で、本当は「かっこいいの作ってくれてありがとう」と握手したかったけれど、おじさんなのでやめときました。
しかし、おかしいな。以前は「自分はサンヨンが限界」と思っていたのに。よくよく考えると、先にM.150-600mmを持ったから軽く感じたのかも。危ない。
かっちょいい |
これが噂の熱が篭るフードです。カーボン素材は、熱が篭りやすいという欠点がありますが、軽くて強いという利点もあります。寒冷地仕様のショートフードがあったらいいのにねと思います。
AI被写体認識AFの検出率
M. 9-18mm F4.0-5.6 II
前回の記事に記載しました。