2024年2月29日木曜日

CP+2024: オリンパスM-1ブラックペイント

日本カメラ博物館所蔵のオリンパスM-1があるというので見てきました。 

オリンパスM-1

1972年発売のオリンパスM-1を、2022年発売のOM-1で撮影しました(笑)M-1に付いているレンズは、米谷氏が晩年に愛用していた「ZUIKO AUTO-S 40mm F2」ですね。

こんなM-1あったっけ?

 

見て、すぐに違和感がありました。

M-1ロゴの刻印は黒く、露出計スイッチレバーに白い塗装がありません。そして、フィルム巻き戻しクランクに「F.MATSUDA」の文字。ロゴを黒く塗ったのか。いや、そもそもM-1の黒ってあったかな?

F.MATSUDA?

 
※露出計スイッチレバーの白いラインは、OM-1の初期型にも入っていない事を後で知りました。


M-1試作機

写真機商コウジヤさんによると、これは一般には販売されなかった試作機らしい。ロゴに白の刻印が入っていないのが特徴です。1972年6月の「M-1」発表会の際に、関係者や写真家に20~30台ほど配ったものが「オリンパスM-1ブラックペイント」として存在する。

という事は、「謎のブラック塗装のOM-1」も試作機だったりして。


F.MATSUDA?

フィルム巻き戻しクランクに刻まれているF.MATSUDAさんを調べてみると、すぐに見つかった。写真家の松田二三男氏(1918-2003) 、イニシャルは製品名と同じMだから、特別好きなカメラの1つだったに違いない。「オリンパス・カメラ・クラブ会報誌」の1972年7月号に「試用レポート~その印象と解説~」を執筆されています。

米谷美久著「オリンパス開発物語」によると、「M-1」の試作〜発売までの道のりは以下の通り。

  • 1970年12月:「M-1」第1次総合試作 - 外装の確認用、撮影は不可
  • 1971年05月:「M-1」第2次改良試作 - ステンレスマウントに決定
  • 1971年08月:「M-1」第3次試作 - 露出計の精度向上
  • 1971年11月:「M-1」量産試作1回目(57台) - 10万回のシャッター耐久テスト
  • 1972年02月:「M-1」量産試作2回目(195台) - ショック・アブソーバー改良
  • 1972年05月:「M-1」本格量産
  • 1972年06月:「M-1」発表会
  • 1972年07月:「M-1」発売

 

松田氏は、晩年に40mm F2を愛用していたのだろうか。マニュアル操作の楽しさと実用性を兼ね備えているレンズで、OM-1デジタルと組み合わせた写りも最高です。なぜかみんなを笑顔で撮れる。うむ、大事にしよう。

28mm F1.4で使用中



M.150-600mm F5.0-6.3 IS

OMブースは大盛況で、M.150-600mmをなかなか触れませんでした。意固地になって絶対最初に触るのは新製品と決めていたので、やっと順番がきて「やったー」と思ったらこのレンズがとっても重い。腕がぷるぷるしてしまって情けないの一言。全体的にエラストマー加工されているのか弾力があり、持った感触はいい感じ。

フォーサーズレンズっぽい

 


M.150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

せっかくだからと対にあったM.150-400mm を持ってみたら「めっちゃ軽い!!」しかも説明員の方の説明がお上手で、めちゃくちゃ欲しくなってしまった。OM-1デジタルのアイカップを設計された方で、本当は「かっこいいの作ってくれてありがとう」と握手したかったけれど、おじさんなのでやめときました。

しかし、おかしいな。以前は「自分はサンヨンが限界」と思っていたのに。よくよく考えると、先にM.150-600mmを持ったから軽く感じたのかも。危ない。

かっちょいい


これが噂の熱が篭るフードです。カーボン素材は、熱が篭りやすいという欠点がありますが、軽くて強いという利点もあります。寒冷地仕様のショートフードがあったらいいのにねと思います。


AI被写体認識AFの検出率

OMブースの壁には野鳥の映像が流れていて、大型の赤と白のオウムが壁に設置されていました。M.150-600mmを映像の野鳥に向けると、AI被写体認識の白枠が常に表示される。しかし、模型のオウムに合わせると、すぐに白枠が消えてしまいます。ところが、M.150-400mmだと模型の鳥ですらAI被写体認識の白枠が表示を続けました。
 
こんなやつ
 
 
これ、私のOM-1 Mark I Ver.1.5と、サンヨンの組み合わせでも白枠は表示し続けました。不思議ですね。まあ、動いている野鳥は認識したので、大きな問題にはならないとは思いますけど。
 
 

M. 9-18mm F4.0-5.6 II

前回の記事に記載しました。