OM-1のスポット測光で、江の島の夕暮れ時を撮影してみました。
スポット測光とは
OM-DやOMの夜景スナップは、主に「SH測光」を使用していましたが、どのメーカーのカメラにも搭載されている「スポット測光」はこれまで使ったことがありませんでした。調べてみると逆光や明暗差が激しいときに有効な測光モードのようです。
- 「被写体の特定の部分の明るさを基準にして撮影する場合に適しています。狭い範囲(画面の約2%)の部分を測光します」(2022、OM-1取扱説明書)
- 「フォーカスポイントに重なるΦ3.5mm相当(全画面の約2.5%)の部分だけを測光します。逆光時や被写体の明暗差が激しいときなど、狭い範囲での露出を基準にして撮影したい場合に適しています」(2021、Z fc)
- 「被写体の特定の部分(画面の約2.9%)を測光するときに有効です。画面にスポット測光範囲が表示されます」(2021、EOS R3)
- 「スポット測光サークル内のみで測光する。画面内の特定の場所を部分的に測光したいときに適している。測光サークルの大きさを[スポット: 標準]と[スポット: 大]から選択できる。測光サークルの位置は[スポット測光位置]の設定によって異なる」(2021、α7R IV)
- 「画面の約2%部分の露出が最適になるように測光します。逆光時など、被写体と背景の明るさが大きく異なるときなどに使用します」 (2022、X-T5)
- 「被写体と背景の明るさが極端に異なるとき(舞台上のスポットライトが当たった人物
を撮るとき、逆光時など)」(2019、GX7 Mark III)
3:2の魔法
もう一つのテーマとして、アスペクト比はすべて3:2で撮影しました。フルフレームやAPS-Cのカメラのデフォルトで使われている画面比率です。黄金比に近く、遠近感や立体感が出しやすいと言われています。 3:2のアスペクト比にそのような効果があるのか試してみました。
試写
実際に空にスポットを合わせて撮影してみると、雲が綺麗に撮れる代わりにそれ以外のところは真っ暗に撮影された。レンズは「M.ZUIKO 17mm F2.8」です。
スポット測光 |
この撮影データを元にRAW現像ソフトで少し暗部を持ち上げたところ雰囲気のよい写真に仕上がりました。以下、露光量50%、ハイライト-20%、シャドウ35%、明度-20%、コントラスト15%のプリセットを作成して適用してみました。※写真毎に微調整してます。
階調オート
スポット測光で撮影時に、OM-DやOM-1ではどのように設定すべきだったのか。これはOM Workspaceで色々と試した結果、「階調オート」を設定して撮影すればよかったみたい。あとはシーンに応じて露出補正をプラスまたはマイナスにする。
山でも通常の測光モードではどうすることもできない直射日光のシーンはある。「階調オート」は初代E-M5だと暗部ノイズが目立つことがあり、しばらく使うのを避けていました。今回のOM-1の「スポット測光+階調オート」の現像結果はノイズが全く気にならなかったので、また使ってみようかなと思います。
3:2のアスペクト比は「本当かね?」と試した訳ですが、確かにマイクロフォーサーズっぽさは薄れたでしょうか。RAWは4:3で記録されていました。
ヨーロッパのMFTフォーラムでは、風景写真は3:2、ポートレートは3:4を勧める人が多い印象です。その写真に相応しいシーンと判断した場合は1:1, 16:9, 2:1なども有効との事で、「MLSR」が使える今の時代に4:3に拘る必要はないのかもしれない。でも最初にアスペクト比を決めて、構図を考えて撮ることも大事ですよね。
写真:OM SYSTEM OM-1 + M.ZUIKO 17mm F2.8
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