夏休みを利用してパナソニックGM1用の木製グリップを作成してみました。
木材の種類
ホームセンターで端材を買ってきました。見た目の色合いが好みだったのと硬質そうな木だったので今回は「月桂樹」に決定。
月桂樹の主な特徴
木材は、大きく分けて広葉樹(ハードウッド)と針葉樹(ソフトウッド)の2種類がある。月桂樹は常緑広葉樹で「強靭で重硬、加工は容易だが交錯木理の場合は困難、表面仕上げは良好だが乾燥がやや困難。また、個体差が大きい」とのこと。(2022、朝倉彫刻店)
- 種類:常緑広葉樹
- 科:クスノキ科
- 原産地:地中海沿岸
「交錯木理」は木目が交錯している木材のこと。他にらせん木理、通直木理などがある。らせんは斜めの木目で乾燥すると捻れる懸念があり、木目が素直で真っ直ぐな通直木理の端材を選ぶと加工が容易になる。予備知識なく購入したが、カメラ用グリップとして無難そうな木で良かった。
道具1:成形
成形に使用した道具は以下の5つです。木工は頭の体操になるし、新しい趣味になりそうなので、1000円程度のものを中心に購入してみました。- Z ライフソークラフト|Amazon
- 追入のみショート3本組(9、15、24mm)|Amazon
- ベンチバイス|Amazon
- 八角玄能|Amazon
- サンデーカーペンター|Amazon
1はカットした面が綺麗に仕上がる特徴を持つノコギリを選んだ。追入ノミはセット品で柄が短いショートタイプを選択。3の鉄床(アンビル)と万力(バイス)は大小様々な製品があり結構悩んだ。鉄を丸く成形するためのツノは今回は使いそうにないし、
薪を割るように金槌で追入ノミを叩いて木を削るので、土台がプラスチック製は嫌。挟んでカットしたいこともあるので万力は欲しい。という感じで、最終的に2つの機能を併せ持つこの商品にしました。4は元々所有していたもので、115gはグリップ作成の用途としては少し軽すぎる印象でした。
道具2:仕上げ・細工
仕上げ・細工に使用した道具は以下の3つです。彫刻刀を使うのは小・中学校以来です。当時は版画や技術家庭の授業がとても好きでした。
- 彫刻刀(平刀、中丸刀、三角刀90°)|Amazon
- のこヤスリS|Amazon
- サンドペーパー|Amazon
1は柄の部分が広がっているので、削っているときに木にぶつかりやすいのがイマイチ。プラスチック製で軽量なのはよいが、柄を削って面取りした方が良さそう。2はごりごり削ることができるパワー系のヤスリで、1つあると便利です。
作業場の作成
縦35x横25x高20cmのダンボールを高さ10cmにして、その中で作業を開始。しかし、おが屑が結構出るので油断するとカメラが おが屑まみれに。作業場の近くにカメラを置くのはよくなかった。ちなみに原因はのこヤスリSで、夢中になって形を整えていると作業場のことなんて忘れてしまう。
成形でのノウハウ
ノミを使うのは初めてのことだったので色々と失敗しました。以下、作業時に得られたノウハウです。
No. |
作業 |
失敗例 |
対策 |
1 |
ノミで削る |
大きくカットしたいのに小ノミを使って変に割れる |
カットする大きさに合わせて適切なノミのサイズを選ぶ |
2 |
〃 |
金槌で軽く叩いたつもりでも木が先の方まで割れてしまうことがある |
途中で止めたいときは先にノコギリでカットしておく |
3 |
〃 |
木が硬くてノミが入らない |
木目方向にカット→ノミを使う 木目に垂直にカット→ノコギリまたは彫刻刀を使う |
4 |
〃 |
木を固定していた小指が引っかかり切ってしまう |
カットする面ギリギリを押さえない |
PROグリップに装着
作業開始から6時間ほどで「PROグリップ」に装着できるところまで完成。固定するためのネジ穴は2mmのドリルで穴を開けたあと3.5mmのねじ切りタップでネジ山を切りました。このまま使用して、形状の調整とニスまたはステインなどの仕上げを施したい。
やすり掛け
しばらく使ってみると人差し指が引っかかるので、グリップ上部をノコギリで面取りしてみる。しかし、真っ直ぐにカットできず、のこヤスリSで強引に調整した。サンドペーパーは、150→1500→3000番と目を細かくしていきました。
オイル塗装
最後の仕上げに「えごま油」を塗って艶を出す方法があるようなので試してみました。
- えごま油を筆で塗る
- 15分ほど放置
- ウエスで余分な油を拭き取る
- 48時間乾燥させる
艶が出て良い感じになった! |
続いて試写です。