2022年6月2日木曜日

OM SYSTEM OM-1でハイレゾ録音する

マシューさんのお陰でOM-1の野鳥AF設定が落ち着いたので、続いて高音質の音声フォーマットで野鳥録音をはじめてみようと思います。

野鳥撮影の合間に

定期的にウォーキングをしながら野鳥を撮影しています。健康維持が目的ですが、ウォーキングコースに森林公園を選んだりすると、美しい小鳥のさえずりに思わず足を止めてしまうことがあります。最近は仕事の影響なのか耳鳴りが酷いこともあり、自然音が最高の癒やしだったりします。そこで、現地で聴いた自然音を「ハイレゾ録音」で保存しておけば、家でも聴けて楽しめるんじゃないかというのがきっかけです。

 

OM-D/OM-1ムービー x オーディオレコーダーの歴史

オリンパスのオーディオレコーダーの歴史は古く、1969年に世界初のマイクロカセットテープレコーダー「ズイコーパールコーダー」を発表、1997年にICレコーダー市場を開拓し、2009年にはリニアPCMレコーダーを発売と革新し続けてきたオーディオレコーダーメーカーでもあります。2015年には、デジタル一眼カメラOM-D E-M1(Ver.4.0)およびOM-D E-M5 Mark IIに、ICレコーダーリンクを搭載しました。

凄い!と思いつつ
LS-100が大きすぎて躊躇した思い出^^;


2018年に小型のリニアPCMレコーダー「LS-P4」発売、2019年のOM-D E-M1XとOM-D E-M5 Mark IIIに「ハイレゾ録音」が初搭載しました。2020年のOM-D E-M1 Mark III発売の際にはショック吸収マウント「SM2」が登場。OM-Dの「ハイレゾ録音」環境が充実しつつあったので、「ハイレゾ録音」対応カメラを購入したら始めてみようと考えていました。



リニアPCMレコーダーLS-P4ととSM2

 
 
 

ハイレゾ録音とは

カメラの取扱説明書に記載されている「ハイレゾ録音」の96kHz/24bitについて調べてみました。これは、日本オーディオ協会がハイレゾ対応機器に求めた処理能力の定義でした。

  • CD:44,100Hz/16bit 
  • DVD:48,000Hz/24bit
  • iPhone:48,000Hz/24bit
  • DVDオーディオ: 192,000Hz/24bit
  • E-M1 Mark II、E-M10シリーズ:48,000Hz/16bitのみ
  • E-M1X以降:96,000Hz/24bit、48,000Hz/16bit対応
  • PCMレコーダー: 192,000Hz/24bit(大型)、96,000Hz/24bit(小型)

サンプリング周波数96kHzは、CDを超える高音域を記録します。デジタル信号はサンプリング周波数の1/2で記録されるため、48,000Hzまで再現できる。ステレオリニアPCMの24bit(144dB)はダイナミックレンジのことで、一度に広範囲の音を記録できます。人間の可聴範囲が20〜20,000Hz、120dBと言われているので、96Hz/24bitは十分すぎる性能と言えます。

以下、日本オーディオ協会が定める「ハイレゾ音源を楽しむための3種の神器」です。

 

録音機器

  • 録音フォーマット:FLACまたはWAVファイル96kHz/24bit
  • 入出力:96kHz/24bit
  • ファイル再生: FLAC/WAVファイル96kHz/24bit対応
  • 信号処理:96kHz/24bitの信号処理性能
  • デジタル・アナログ変換:96kHz/24bit

OM-D/OM-1のデフォルト設定は、48kHz/16bitになっています。MENU画面で録音レートを96kHz/24bitに切り替えるだけでOKです。プラグインパワーの外部マイクを使用する場合は、こちらも設定をOnにすることを忘れずに。

 

マイク

  • 録音マイクの高域周波数性能:40kHz以上

突然、難易度UPです。世の中のマイクは最大20kHzを謳っているものがほとんどでした。さらに加齢により20kHzの高周波というのは年々聞こえなくなっていきます。従って、高域の周波数性能は20kHzあれば十分で、最大入力レベルが120dB以上に対応していることが重要と思われる。

 

現在愛用しているオーディオメーカーのTASCAMの解説によると、野鳥の音域は100〜10,000Hzで、マイクの指向性は単一タイプがおすすめとのこと。また、風切り音は以前の経験からカメラ内の機能ではなく、ウィンドジャマーを装着した方が綺麗に録音できる。電源はプラグインパワー方式が安心です。これらの条件をカバーする外部マイクが望ましい。 

 

 

再生機器

  • アンプ高域再生性能:40kHz以上
  • スピーカー・ヘッドホン高域再生性能:40kHz以上 

こちらも上記マイクと同じ考え方で、20kHz以上の性能があれば十分に楽しめると判断しました。

 

 ということで、、、


ハイレゾ録音環境は、元々所有していた機材で事足りるというオチでした。

簡易テストを行ったところ、従来の16bitよりも高音質で臨場感のある音が記録できることを確認できました。一方で、ハンドリングノイズを結構拾ってしまうことに気づきました。ハイレゾ録音時は、PIXIなどのミニ三脚は必須となりそうです。

 

内蔵マイクとTM-2Xの比較

続いて、OM-1の内蔵マイクとTM-2X外部マイクのハイレゾ録音をチェックしてみました。聴き比べてみるとOM-1の内蔵マイクは人の声をはっきりと記録できる良さがあります。一方、TM-2Xは立体感のある音で、録音レベル調整を最大の+10にしても音割れせず余裕がある状態で記録された。OM-1の風切り音低減は、エアコンなどの耳障りな動作音をカットできる「雑音低減機能」でもありました。「弱」はOffと大差なく、「強」は声が籠もる感じになったので、「標準」が最もバランスがよいと感じました。
 

今後、室内で家族を記録するときは「内蔵マイク+風切り音低減:標準」、野鳥などの自然音の記録は「TM-2X外部マイク」といった感じで使い分けよう。道路の近くでロードノイズが酷いときは「風切り音低減:標準」を併用してもよいかもしれません。
 

マイク

特長

風切り音低減

録音レベル調整

OM-1 内蔵マイク

声をくっきり記録する

標準

±0

TASCAM TM-2X

立体感のある音

Off

+10