2016年8月10日水曜日

天の川撮影の記録(富士山青木ヶ原周辺)

光害の多い地域に住む自分にとって、「天の川」というのは肉眼で見たことのない謎めいた存在でした。フィッシュアイPROを購入して、早一年。ついに「天の川」の撮影に成功。この日ほど、この1本を選んで良かったと思った日はありません。今回は、その魅力を少しでもお伝えできればと思います。

Mt. Fuji and Milky Way
OM-D E-M5 +フィッシュアイPRO + ナノトラッカー at SS50 ISO1250, 5x8でトリミング

場所は山梨県鳴沢村。夏の天の川は新月の週、日没の1時間後(19:30)頃から撮影可能で、南東の空に無数の星が瞬き始めます。三脚を設置し、星にピントを合わせたあとSS(シャッタースピード)30秒、ISO1600で試し撮りを開始。SS30秒は、フィッシュアイPROが赤道儀無しで星を点像で撮影できる限界の時間です。12-40mm F2.8だと20秒が限界。淡い星々を多く含む天の川。この設定で露出オーバーになる場合は、その場所は明るすぎるので、撮影はスパッと諦めた方が良いです。25~30秒で満足できる結果を得られると思いますが、点像の限界を超える露出が必要な場合は、ポータブル赤道儀が必須となります。

Milkyway



「天の川」の撮影条件早見表

撮影条件備考
天候晴れGPV気象予報
太陽・月入1時間後〜出1時間前今日のほしぞら
撮影地都市部から100km離れた場所全国星空スポット
焦点距離24mm以下(35mm換算)500÷焦点距離=SS 広角であるほどSSを稼げる
露出時間25〜60秒長秒であるほど星を多く写せるが60秒を超えると地上がぶれ始める。上記SS不足分は赤道儀が必須
F値F1.8〜F2.8値が小さいほど星を多く写せる
ISO感度ISO1250〜1600高ISOはSSを短縮できるがノイズ発生とのトレードオフ


目が暗闇に慣れてくると、カメラの液晶モニターに表示されている白い帯が肉眼でも見えてきます。 南東の空から自分の真上に向かって伸びている、この雄大な天の川をフィッシュアイPROは見事にフレームに収めてくれました。フルサイズと比較した時に、開放で画面周辺にサジタルコマ収差が発生しないレンズが豊富なのが、マイクロフォーサーズのメリットです。ちなみにフルサイズだと、「TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD」、「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」あたりがコマ収差の少ない定番の銘レンズのようです☆彡


富士山の青木ヶ原周辺には、1万頭以上の野生の鹿が生息しています。 夜間に訪れたのは今回初めてだったので、道路で立ちすくむ牝鹿と遭遇してとても驚きました。体重が数百キロある鹿との衝突は大事故に繋がる危険性があるので、車を運転する際は以下を注意しています。
  1. スピードを出さない
  2. できる限りハイビームを使用する
  3. 「かもしれない運転」をする
  4. 夕暮れ時や明け方は特に活発なので要注意
  5. 発見時は急にハンドルを切らずブレーキ
  6. ひかれた鹿を道路上で発見した際は#9910(通話料は無料)
 


露出中は満天の星を眺めながら次の構図を考えます。効率を上げるためにフィッシュアイPROと12-40mm F2.8の2台構成で撮影していますが、最近はF2.0以下の広角レンズがもう1本欲しいなとよく思うようになりました。定番はオリの12mm F2.0だと思いますが、パナの12mm F1.4も気になりますね。