猫というのは群れを作らず単独で行動する動物です。人にはあまり懐きにくいですし、警戒心がとても強い生き物です。
「お手」のきっかけ
うちの猫も例外ではなく、突然引っ掻かれたりして困惑した時期もあったが、一緒に生活をしていると少しずつ付き合い方が見えてくる。スキンシップはほどほどに。猫は自由に暮らしてもらうのが一番。というのが我が家のルールになっていきました。
- 種別:キジトラ猫(オス)
- 年齢:4歳
- 家族歴:うちに来て2年
- 体重:6kg
ところが、今年になってからよく喋るようになった。もちろん猫語なので分からないこともあるのだが、人間との交流を積極的に取り始めてくる。それに応えるように人間も普通に「おはよう」と挨拶して「どうしたの?」と会話をするのが当たり前になりました。
中でも一番驚いたのが、猫がくつろいでいるときに背後に忍び寄って、背中をチョンと触る。すると「んん〜?(なんだあ)」とか「んっ?(ナニ?)」と言ってまるで人間のように振り返るのです。(で、ゴミが付いていたよと指を見せてクンクンさせるまでがセット)
すれ違うときにポンとタッチしてきたり、お股をおっ広げて、おっさんのように寝ている様子を眺めながら、あの神経質で身を潜めていた君は何処へやら。
そんな日々を過ごしていたときに、SNSのおすすめ動画から人間と猫が手と手を合わせる“ハンズインチャレンジ”が流れてきた。猫も”お手”ができるんだ!という驚きと同時に、うちの猫もできるのかなと考えるようになった。
自由気ままな猫ですから、別に「お手」ができなくても全然構わない。という気持ちで、我が家のルールを継承しつつ、おやつの時間を使って新しい交流を始めてみました。
用意したもの
- Petio キャットSNACK 乾しカマ かに味 40g
我が家にきてから2年、研究に研究を重ねた全身ブラッシングの時間ですら、手を握るとヒョイと引っこ抜かれてしまいます。でも肉球をぷにぷにと触るのは許してくれます。そんな気難しい箇所なので、前足の触り方を以下のように変えていきました。
- 前足を軽く「ちょん」と指で触ったら、すぐにおやつ。(5回 x 2〜3日/週)
- 1秒くらいそっと前足を包み、またすぐおやつ。指先が床から離れる程度。できたらすぐ褒めておやつ。(5回 x 2〜3日/週)
- おやつを顔の近くでグーにして握ったまま、反対の手で前足をちょんちょん。猫がちょっとでも前足を伸ばしたら即パーにしてご褒美。(5回 x 2〜3日/週)
- おやつを顔の近くでグーにして握ったまま、「お手」と声をかける。手を動かしたら凄い!と大絶賛してご褒美。(5回 x 2〜3日/週)
このような日々を繰り返して1ヶ月になる頃でしょうか。片方の手に小さくちぎった乾しカマをつまみ持ち、お釈迦さまのように手を差し出して「お手!」と言うと、、、
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| ポンと手を置いてくれた!! |
3ではじめて手を差し出してきたときは、そーっと恐る恐る手を伸ばす感じがもう、卒倒しそうなほどの可愛さであった。思わず手を握りしめて「なんて小さな手だろう」と、我が子の手を見たときと同じ感情が芽生えた。4のときはグーを口でこじ開けようとしたり、先に手をさっと差し出すときがあり、可哀想だけどグーを背中に隠して「お手だよ」と言うようにしました。ご褒美をあげようとすると、待ち切れなくてつい前のめりになってしまうことがあります。そのときはおでこに手をかざして「待て!」をして、落ち着いてからあげるようにしています。
仕事を終えて、家に帰ってきてから 21時頃が交流の時間となっていきました。「お手する?」と聞いて「うにゃん(やる!)」と反応したときと決めているのだが、時間になると目を細めて(お手するって言え)を念じてくるようになった。そうなるともう誰とでも「お手」をするのかと思いきや、なんと家族からの「お手」の掛け声には、一切応じませんでした。うちの猫にとって「お手」とは、交流を深めた人だけが許される特別な行為なのでしょうか。
数日後には、人間の太ももに顔をスリスリしてからポンと前足を置いて(やる?)と念を送ることで、簡単におやつタイムへ移行することに成功する。さらには「お手」からの「おかわり」の新技を勝手に披露するなど進化が止まりません。もはや猫が人間の心をコロコロと転がしているようです。
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更新履歴
- 2025/9/27、 「保護猫 茶助「お手」を覚える」の記事公開
