我が家に保護猫がきて2週間が経ちました。だいぶ慣れてきて、最近は素の姿をたくさん見せてくれます。本格的に撮影する前に猫撮影の心構えやコツを調べてみました。
参考にした記事
- 岩合さんが伝授!愛猫の撮り方テクニック|- Allwell - ユニ・チャーム ペット
- 猫撮影のコツや取材の裏話を聞いた|サンスポ
- 徹底的にネコの立場に立つ|OMフォトライフ
猫撮影と言えば真っ先に思い浮かぶのは動物写真家の岩合光昭さんです。現在、インターネットで公開されているインタビュー記事を調べてみると、大きく分けて6つのコツがありました。
その1、カメラ・機材選び
- 「普段からカメラやスマホを猫の近くに置いて、匂いを覚えてもらう」
- 「音を怖がる子も多いので、時間をかけてシャッター音にも慣れてもらうとよい」
- 「大きな三脚を見るとびっくりするので、三脚の使用はなるべく避ける」
- 「スタッフが急いで三脚を持って来ただけで、ネコが身構えてしまうことがあります。ネコの近くで速い動きは禁物です」
岩合さんによると、デジタル一眼レフ時代はシャッター音の苦労があったようですね。そういえば最初はカメラを向けただけでも嫌な素振りを見せていた。OM-1の低振動モードのシャッター音ですらビクッとしていました。電子シャッターをONにして、三脚が必要なときはミニ三脚を用意しよう。
- 電子シャッター:ON(静止画、1/60)
- プロキャプチャーモード:SH1またはSH2(動体、1/250以上)
- 測光モード:HI測光
- 被写体検出:猫
その2、自然光で撮る
- 「光を味方につける」
- 「日が傾いている早朝や夕方に撮ったり、窓際で逆光ぎみに撮ったり。鏡や真っ白な紙を使って光を反射してみる」
- 「猫が夢中になるものを置いてみて、どう遊ぶのかを観察する」
- 「猫の動きに合わせて「流し撮り」するのもよし。逆に、ブレた写真もスピード感があって楽しい」
岩合さんは、自然光による撮影を基本としている。どうやら猫にフラッシュを使うと網膜障害やけいれんを引き起こす可能性があるようだ。また、眠っている様子をバウンス撮影したところ、フラッシュの発光音で家族がビックリしていた。猫や家族にストレスを与えないようにAF補助光やフラッシュの使用は避けるようにしよう。となると、シャッタースピードを稼ぎたいときはF1.2シリーズなど明るいレンズが良さそう。
- AFイルミネーター:OFF
- フラッシュ:発光禁止
- フリッカーレス:ON
- ISO感度上限:6400〜8000
その3、距離感を探る
- 「動物には臨界距離というものがあるんです。これ以上近づくなっていう距離。それをわきまえて撮る必要があります。猫に近づきすぎず、離れすぎず。もっともキレイに撮れる距離感を探ってみる」
- 「毛を逆立てたり、しっぽを激しく振ったり、目を見開いて視線をそらさないとか、そういう猫の場合は時間をおいたり、モデルさんになりたくなさそうなら、違うモデルさんを探す。しっぽを立てて先を少し揺らしているのは、喜んでいる証拠」
- 「ご主人と話をしているところを猫が見れば、この人、ご主人と友達なんだ、仲がいいんだと安心してくれるんですね。途端に近づける。それまでじーっと緊張していた猫が和らぐ。そこを待つ」
- 「おだやかな声のトーンで、猫と会話しながら撮影する。無理に近づいたり、抱き上げたりしない。猫の権利を大切に」
食事中のときは勿論、家をパトロールしているとき、狩りモードのときは人間は相手をしてもらえない。逆にお腹が空いたとき、人間のトイレ中を見たいとき、自分が寂しいときはニャーと鳴いてアピールしてくれる。猫のトイレ掃除中のときも、お礼なのか必ず甘えてくる。そういった猫と家族のふれあいを撮影してみたい。
OM-1 + LEICA DG SUMMILUX 25/F1.4 II at 1/60 F1.4 ISO4000 -2EV |
その4、ローアングル撮影
- 「ほふく前進スタイルで、猫になりきって相手の気持ちを探ります。小さな子どもに話しかけるときに、しゃがんで目線を低くするのと同じ」
- 「ネコの撮影をするときは、ネコの頭よりもカメラを低く構えたい」
- 「目線の高さをできるだけネコと同じにすること。「みんな座って」と、いつもスタッフに言っています」
- 「欲張らないことが大事!背景はできるだけシンプルに。場所のおもしろさを出したいときは、猫から離れて全体図を撮影する。高い場所にのぼるのは猫ならでは。下にもぐりこんで狙うのも面白い」
子供たちが大きくなって、この撮影術を一番忘れていたかもしれない。LEICA SUMMILUX 25mm F1.4やZD 50mm F2.0 Macroなどボケを活かせるレンズを使って、ローアングル撮影してみよう。
その5、ルーティンを狙う
- 「食事前の猫はとても甘えてくるので、その積極的な姿を狙う」
- 「ごはんを食べ終える直前の『舌なめずり』がシャッターチャンス!」
- 「飼い主さんと話をして、何時頃にどこでひなたぼっこをするといった1日の動きも、かなり詳しく聞いています」
- 「塀に飛び上がる瞬間を反対側から捉えたり、遠くから戻ってくるネコを待ち伏せて撮ったりもできます」
暗くて狭くて高い所は勿論、鳥、ネズミ、赤いもの、光るもの、どんぐり、ダンボール、紙袋に関心がある様子。寒い日はとにかくコタツに入るのがお気に入りで、あぐらの上に丸くなって赤ちゃんのように甘えてきたりもします。最近は、仕事部屋にトコトコとパトロールにきて帰っていく。この様子をM.40-150mm F2.8で狙ってみたい。
その6、とにかく撮り続ける
- 「みなさん猫の顔を撮ることにこだわられますが、猫には全身から醸し出す雰囲気がある。ゴロンとしてみたり。猫らしさを出すには横顔でも後ろ姿でもいいんです。全部が猫なんです」
- 「顔が見えなくても猫のかわいらしさ、愛らしさがあります。シャッターチャンスは、猫をひたすらみることによって、生まれてくる」
- 「どういうものを撮りたいという意識より、その子(猫)らしさを画面の中に映し込みたい」
- 「飼いネコか野良ネコかなんて関係ない。ネコはネコなんだから」
最後は、岩合さんの猫に対する熱い思いを集めてみました。ここまで整理したところで、子供撮影と共通点が多いことに気づきました。愛猫に対する気持ちはみんな一緒です。やればできる、継続は力なり。
岩合さんの本
岩合さんの魅力が詰まった著書も読み始めました。まだパラパラと眺めているだけですが、これは私の愛読書となりそうな予感。
- カラー新版 ネコを撮る (朝日新書)|Amazon
その後・・
家族全員で愛情を注いだ結果、猫じゃらしで誤爆される度に痛いと言っていたら1ヶ月後に爪を隠すようになり、2ヶ月後には「茶助」と呼べば振り返り、続けて「抱っこ」と言って両手を広げると、足下に近寄ってきてじっと待ってくれるようになった。よく子供の写真は末っ子になるほど写真の枚数が減っていくという話になるが、どうしてもふれあいの時間を優先してしまう。この瞬間は2度と戻ってこないから。
だっこのとき、長袖の時は落ちないように爪を引っ掛けるが、Tシャツのときは爪を隠して身を委ねてくれる。なんて優しい子だ。とてもいとおしくて、孫ができたらこんな気持ちになるのかな?
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