ひょんなことから保護猫が我が家に来てくれることになった。
借りてきた猫
数年前に妻から「保護猫を飼ってみないか」と提案があり、動物愛護団体の説明会などに参加していたが飼うまでに至らず。今年の1月にキジトラ1歳のご縁があり、トントン拍子でトライアル飼育をする事になった。
ケージ越しの撮影もなんのその OM-1の「猫認識AF」で撮影 |
唯一の飼い猫の経験者である妻から接し方をレクチャーをしてもらうが男性陣はオロオロするばかり。特に熊のような私は一番怖がられている様子。昼間は猫用ハウスから出てこず、夕方にキャットフードを置いても食べようとしない。
夜行性なので部屋が明るいと嫌なのではないかと部屋を暗くする。妻がケージで身の回りの世話をしていると、なんと猫用ハウスから出てきて夕ごはんを食べてくれた。
その後、初めてのトイレにも成功。我が家に少し慣れてくれたと勘違いした私は、積極的にアプローチするも低い声でゴロゴロと鳴いて顔を背けたあと押入れの奥に隠れてしまった。
友達作戦
「まだ慣れていないのに強引すぎる」と家族から非難轟々。翌朝にトイレをした形跡はあったがすぐに押入れに戻ったようだ。半日経っても飲まず食わずのまま押入れから出てこない。妻が用事で出かけると、残された男衆で「はじめてでも安心 ネコとの新生活 完全ガイド」を読む。長寿の為には水分摂取量とトイレがとにかく重要らしく(人間と同じだ)、早めに何とかせねばならない。
キャットフードで誘ってみたり、猫がリラックスできるという音楽を流したりしても効果なし。最終的に一番怖がられている私が2階に引き籠るとこの作戦が功を奏して、1時間ほどで出てきてくれた。この行動パターンが2日続いた。
猫の入門書を読んで意外だったのは、基本的に猫に人間の食事を与えるのは厳禁だという事。よくテレビやネットで人間が料理を作ったあとに飼い猫には一切お裾分けしない場面を見ては不思議に思っていたが、そういう事だったのかと納得した。
妻に続いて長男が餌をあげて仲良くなる事に成功。次男は幼少期に猫に引っ掻かれた事があり遠慮がちだったが、また押入れに籠もるのは困るねとダンボールの家をささっと作ってくれた。そして私が自作のおもちゃで誘い始めると、いつの間にかお株を奪う猫使いになって最後はケージのある部屋で一緒に寝ると言い出した。(翌朝はニャーニャー起こされて大変だったらしい)
2週間前から夫婦で部屋の準備を進めていたときに、子どもたちは頼むと手伝ってくれるがあまり関心がなかった。どちらかというと生活が変化することへの不安を口にしていた。それが今は「もっとこうしよう、ああしよう」と言ってくれる。元気な幼稚園児が急に一人増えたような感じで、コロナ禍でだらだらしがちだった我が家が一気に変わり始めた。これに一番驚いたかもしれない。
キジトラ猫が新しい家にくると、昼間は安全な場所に隠れて力を蓄える。夜にとんでもない悪い奴と闘う必要があるかもしれないからだ。夜21時以降から朝3時頃まで忍び足で慎重に家をパトロールする。この家が安全だと分かると、やっと人間の相手ができるようになる。猫は「三年の恩を三日で忘れる」というが、4日目で長男のあぐらの上で甘え、5日目で朝ごはんを食べるようになった。
室内の猫撮影
前置きが長くなりました。愛くるしい一挙手一投足に心を奪われ、私は茶助くんの大ファンになった。最初は部屋を暗くしていたのでOM-1のSH測光で撮影していたが、これだと雰囲気はあるが見栄えがあまり良くない。今後は猫じゃらしの灰色ねずみと勇敢に戦う姿を狙ってみたい。
そう考えていた矢先に、むくりと起きてきた茶助くん。我が家に安心したのかワイルドさは影を潜め、なんと甘えん坊な猫に豹変した。これまではZD 50mm F2 Macroがちょうど良い画角だったが、子供のようにずっと側にいるとなると、17mmを付けたGM1の出番だろうか。