2022年7月23日土曜日

MacBook Air(Mid2013)のサーマルパッド改造

 流行りのサーマルパッド改造をMacBook Air Mid 2013にも施してみました。

用意したもの


 

主な仕様

  • 密度(g/cc):3.1 ± 0.2
  • 硬度(Sc):30〜55
  • 熱伝導性:12.8 W/mk
  • サイズ:12cm x 12 cm
  • ブレークダウン電圧:9.8KV(1mm)


サーマルパッドとは

シリコンサーマルパッド(Silicone Thermal Pad)は、ICチップセットなどの熱源に貼り付けた後に、放熱板などを圧着させて放熱するための素材です。銅やアルミニウムと比べて熱をほとんど通さないが、密着性がいいので熱伝導性市場で一番よく使われる素材の1つとのこと。

短所としては、製品によってはシリコン特有のオイルが大量に染み出る「オイルブリードアウト」問題があり、Thermalright 製はその対策として導入している人が多い。

昨年からファンレス構造のM1 MacBook Airにサーマルパッドを付けると、MacBook Pro並に性能アップすると話題です。薄型のMacBook Airの裏蓋にサーマルパッドを圧着して筐体全体から放熱させる仕組みですが、裏蓋を開けるとAppleの保証対象外となるため、すでに保証のないMacBook Air Mid 2013で試してみようとなりました。



熱源探し

早速、Macの裏蓋を外して手で触って調べてみたところ、以下の赤枠部分(CPUヒートシンクとSSDチップ)がとても熱いことが分かりました。

※SSDは3年前に「爆速タイプ」に換装済



サーマルパッド貼り付け


CPUヒートシンク(上側)

3mm(1.5mm x2枚重ね)

SSDチップ(下側)

1.5mm

 ※CPUとヒートシンクの間は、引き続き従来型のCPUグリスを使用しました。

CPUのヒートシンク部分は 1.5mmだと裏蓋に届かず
2枚重ねで3mm厚にしました





改造後のCPU温度(アイドル時)

$

sudo powermetrics | grep -e "CPU die temperature"


※Apple M1, M2では実行不可
  • CPU die temperature: 57.97 C
  • CPU die temperature: 57.18 C
  • CPU die temperature: 56.98 C
  • CPU die temperature: 56.15 C
  • CPU die temperature: 55.72 C
  • CPU die temperature: 59.01 C
  • CPU die temperature: 57.79 C
  • CPU die temperature: 57.15 C
  • CPU die temperature: 56.32 C
  • CPU die temperature: 55.65 C

なんとSSD用ヒートシンクを装着した時と互角です。



Geekbench 5

Geelbecn 5のベンチマーク結果と比較してみました。世界最速は以下の通り。我が家のMBAは、Single-Core Scoreの結果に変化があった。MacBook Air (13-inch Early 2015)並の性能になったということでしょうか。


世界最速
  • Single-Core Score:713
  • Multi-Core Score:1395
  • URL

我が家のMBA
  • Single-Core Score:782
  • Multi-Core Score:1390
  • Geekbench 5.4.5 Tryout for macOS x86 (64-bit)

(;・∀・)お〜



1週間後

無事、1週間を完走。部屋の温度が上がるとMac本体が熱くなるのをタイピング時に感じるようになった。部屋のエアコンを付けるとすぐに筐体が冷えていきます。CPU温度の監視用に「Hot@GitHub」を導入しました。作者はスイスのJDガディナさん。(Big Sur: 動作OK, Monterey: 不具合修正中, Ventura: 動作OK)
 
要するに常にMac本体を冷やすことができればパフォーマンスを向上できる気がしてきたので、PCスタンドに自作PCで使っていた薄型の静音ファンを設置してみることにした。設置する際の注意点としてはファンの風向きは下向き。ゴムなどを挟んでPCスタンドとファン、ファンとMacの間は少し浮かす。Macのトラックパッド側とPCスタンドの間にもゴムを置いて風の通りを良くすると、アイドル時は45℃で安定して動作するようになった。
 
 
 
この状態のベンチマークのスコアは以下の通り。なんとMacBook Air (Late 2018)並の性能になってしまった。
 
  • Single-Core Score:796
  • Multi-Core Score:1453
  • Geekbench 5.4.5 Tryout for macOS x86 (64-bit)

 


 
 

さらに進化

興味本位で以前購入したSSD用ヒートシンクをMacBook Airの裏蓋に貼り付けてみた。位置はSSDの真上です。Mac本体とヒートシンクの接着は、極薄の両面テープを使いました。たったこれだけで、外部ファンを動作させた時と同等の45℃になった。そして、ヒートシンク+外部ファンを動作させた時のスコアは以下の通り。
 
  • Single-Core Score:802
  • Multi-Core Score:1505
  • Geekbench 5.4.5 Tryout for macOS x86 (64-bit)

 

おお〜!✨
 
 
今回は外部ファンの風向きをMac本体側にした方がスコアが伸びた。Firefox ESRによるブラウジングがキビキビと動作するようになり、パフォーマンスの向上を体感できるようになりました。
 
 
 

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