新米パパのころは、たとえは悪いが慈悲の心を持つ「アリ」を育てようとしていた。だから最初の頃は思春期になって「キリギリス」になってしまったと嘆いていたのかもしれない。
北風と太陽
そのあと子育ての本を読んだり、人生経験豊富な先輩の話を聞いて色々と勉強するうちに「ああ、子供たちの方がある意味正解だったのか」と考えるようになった。
子供たちは、無意識ではあるけれど今を生きている。だから本当の答えを導き出せるのは本人だけであって、ピントのずれた指示や無闇に制限を設けたところで聞く耳を持たない。誰もがインターネットを通じて、様々な国の人々と簡単に繋がることができる時代なのです。
子供たちに本当に共有しないといけないのは、現代の「北風と太陽」だ。同じ目線になって一緒に考えることで、本人が必要だと納得すれば、凄いスピードで吸収する。
父親は、父親として機能するだけでなく、時には母親の役割を果たすときもあれば、友達になることもできる。立派な父親になる必要はない。ありのままの姿で、一緒に成長していけばいいのだと思う。
北欧の小学校は宿題がない!
次男によると「フランスでは小学生に宿題を出すのを法律で禁止している」と力説。(出典:ドラえもん 社会ワールド ー政治のしくみー)
どうやらコロナ禍で授業時間が圧縮されたので、この一年間は授業が詰め込み気味ですごく大変だったとのこと。分からないところは「ぴよぴーよ速報」などを見て補習してたんだって。「子の苦労、親知らず」でした。
長男からの指摘はもっと深くて「先生は、教えることが作業になっている」とのこと。「そんな馬鹿な」とインターネットで調べてみると、「フィンランドの教育が素晴らしい」という情報がよくヒットする。さっそく検索上位にある動画を観てみると、確かにフィンランドの先生達の考え方に感動する。しかし、動画のコメント欄は賛否両論です。最終的に、別の動画でフィンランドの高校生から具体的な話を聞いたあと腹に落ちた。
子供達の話を聞く限りでは、「北欧の先生と生徒達は目的を持って授業に参加していて、授業後や放課後でも先生が生徒一人一人を手厚くサポートしてくれる」というのが一番のGood Pointだ。
それは、1クラス20人前後に抑えているからと言われている。その後、古代ギリシアの教育思想の話まで出てきて、父ちゃん頭から湯気が出てきたよ。
でも良い教育をしていると言われているフィンランドでも、いじめや少子化で悩んでいる。日本の先生達も海外の良いところは参考にしているだろうけど、お父さん達はこの超ストレス社会をどうにかしないといけないね。
お母さんにストレスが増えると、子供はできないんだ
行雲流水
子供たちは、日本社会という川で水遊びを始める。
浮き輪を付けて泳ぎ始める子もいれば、水中メガネを付けて潜って遊ぶ子もいる。先生が側にいるので、親たちは安心して川辺で肉を焼いてお酒を飲んでいるんだけど、たまに先生が子供を見失うと「死んだらどうするんだ」と怒る親もいる。
ときどき先生が「一緒に子どもたちと遊びませんか」と聞いてくるけど、子供が大きくなると「こっちはこっちで忙しいので」と断ったりする。
子供たちが青年まで成長すると、どんどん離れた場所まで泳ぐようになる。子供が川岸で休憩していると、心配でずっと「大丈夫だった?」と聞く親もいれば、泳ぎ方を観察する親や、一切話をしなくなる親もいる。
ときどき子供同士で喧嘩をして、一人で立ち止まる子もいる。泳ぐことに疲れ果てて川岸で休むけど、また泳ぎ方を思い出して「水の流れに身を任せるのも悪くないな」と考える。
クラスの先頭集団は、ずいぶん先まで泳いで河口までもうすぐだ。
親は「最初は大きな船の方が安全だよ」と提案するが、小舟に乗って大海原に旅立とうとする子もいる。必死になって止める親もいれば、「よし、お前が言うなら行ってこい」と信じる親もいる。
正直、正解は誰にも分からない。船が壊れたらどこかの孤島で休むか、たまには親の元へ帰ってきて、また旅立てばいい。救命道具だけは忘れずに。
学校生活は色々あると思うけど、親の気持ちはこんな感じだ。一番泳ぎやすい方法を見つけてくれたら、それで十分だよ。
あれっ、もう誰も話を聞いていなかった(;・∀・)