前回、江ノ島でOM-1とZUIKO MC AUTO-S 50mm F1.8 + LTIIの試写を行い、結果は上々でした。では、モノコートのOMレンズではどうなるのか。今回は自宅で簡易テストを実施してみました。
OM-D E-M1
まずは比較用として、初代E-M1に「ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5」を装着。
撮ってすぐに、8年前に見た“真っ赤な海”の記憶が蘇りました。F8まで絞れば目立たなくなるものの、E-M1のEVF(約236万ドット)では撮影中に色収差を把握するのは難しい。
出先で良い写真が撮れたと思っても、帰宅してPCに読み込んだ瞬間に「こんなに出ていたのか」と驚くのです。でも、E-M1の写りは好き。
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| E-M1 ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5 at 1/1600 F3.5 ISO200 +1EV |
OM-D E-M1 Mark II
購入から6年が経過したE-M1 Mark IIでも同レンズをテスト。
この機種から撮像センサー上のシールガラスにARコートが施されており、色収差は大幅に減少しています。ただし、近距離ではグリーンフリンジ、無限遠ではパープルフリンジがやや強まる傾向がありました。スマートフォンの小さな画面で見ると、むしろE-M1の方が自然に感じるのが面白いところです。
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| E-M1MarkII ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5 at 1/2500 F3.5 ISO200 -2EV |
OM-1
OMDSサポートによると、OM-1はE-M1 Mark IIと同様にARコートが施されています。実際に撮影してみると、E-M1と比べて色収差が大幅に軽減されている。約576万ドットのEVFは大変見やすく、現場でF値を1段絞ってフリンジを消す消さないの判断が容易にできる。OM-1が、オールドレンズの母艦としても優れていることをあらためて実感しました。
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| OM SYSTEM OM-1 ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5 at 1/4000 F2.5 ISO200 -2.7EV |
OM-1 + LTII
折角なのでLTII付きでもテスト。モノコートレンズが98mm F2.5というレンズに生まれ変わる。四隅に周辺減光が見られるものの、画角が広がり、F値が1段明るくなることで、使い勝手が向上。本当に良くできたアダプターです。唯一の難点は、EFレンズ用の設計ゆえに少し大柄なこと。OMレンズ専用品として開発すれば、鏡胴が一回り小さくなってOM-5にもよく似合うはず。しかし、これは贅沢な悩みでしょう。
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| OM SYSTEM OM-1 ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5 at 1/3200 98mm F2.5 ISO200 -2EV |
ARコートの妙
LUMIX GM1やE-M1にPROレンズを組み合わせると「自分好みの写真」が撮れる。E-M5やE-M1 Mark IIと25mm F1.4IIを組みわせると、大口径レンズ特有の「パープルフリンジ」が目立ちやすいことが確認できた。
昨年からOM-1と25mm F1.4IIで撮影していると、E-M1 Mark IIよりも僅かに落ち着いた描写に何か違うと感じることがあった。それは色収差の軽減だったのです。こうした微妙な変化を感じながらも、当初はその”優等生な描写”にどこか物足りなさを感じていた。良いことのはずなのに逆に不満に思ってしまうなんて。人間とは本当に厄介な生き物です。



