2022年4月29日金曜日

米Appleの「セルフサービス修理プログラム」の懸念事項

米Appleは、iPhone製品を自分で修理できる「セルフサービス・リペア・プログラム」の提供を開始しました。



「セルフサービス修理プログラム」とは

米国の競争法および消費者保護法による「修理する権利」の拡大により、一般消費者にも部品を提供して個人が修理しても保証対象外としない制度です。2022年4月のサービス開始時点の対象製品と対象地域は以下の内容となっています。

  • 対象製品:iPhone 13 Pro Max, 13 Pro, 13, 13 mini, iPhone 12 Pro Max, 12 Pro, 12, 12 mini, iPhone SE(第3世代)。
  • 対象地域米国のみ
  • iPhone13 Proの費用
    • ディスプレイ交換キット:$269.95 - $33.6(※) = $236.35
    • バッテリー交換キット:$70.99 - $24.15(※) = $46.84
    • カメラ交換キット: $117.04 - $52.50(※) = $64.54
    • ※故障部品の買取価格

 

 

「セルフサービス修理プログラム」の流れ

  1. 修理マニュアルをダウンロードする(PDF: 英語)
  2. ツールのレンタル、部品を注文する(SSR Store: 英語)※製品のシリアル番号が必要
  3. 修理マニュアルに従って修理する
  4. レンタルしたツール、故障部品はリサイクルのために返却する

 

iPhone13 ツールキット7日間レンタル(送料込):$49

iPhone13用の表示パネル取外し装置
購入価格:$256.35

iPhone SE3用の表示パネル取外し装置
購入価格:$160

 

 

 

懸念事項

  • Appleにバッテリー交換依頼した場合と比較して22ドルしかメリットがない」(9to5Mac)
  • パーツ購入は製品のシリアル番号必須のため今後はペアリング戦略が強化されて非公式パーツでは警告表示される可能性がある」(iFixit) 
  • 日本では許可をもらっていない人がiPhoneのカバーを開けると「技適」の認証が無効になり、その状態で通信を行うと「電波法違反」に問われる可能性がある」(マイナビニュース)
  • 吸盤を用いて表示パネルを外すといった特殊な方法で分解しないと内部にアクセスできない」(マイナビニュース)
  • 表示パネルとメイン基板は極細のケーブルでつながっていて下手に力を入れようものなら簡単にちぎれてしまう」(マイナビニュース)
  • 内部は電子部品が高密度で詰め込まれており体にたまった静電気がパチッと伝われば一瞬で壊れかねない」(マイナビニュース)
  • 大容量の電気が詰め込まれたバッテリーに衝撃が加われば、発火や火災などのトラブルにつながる」(マイナビニュース)