2021年7月7日水曜日 更新:

富士フイルム、ベルビア100の米国への出荷を終了

富士フイルムは、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)の新しい規制により、日本で製造しているベルビア100フィルムの米国への出荷を終了することを決定しました。

ニュースリリース

'2021年3月8日、環境保護庁(EPA)は、化学物質および化学物質を含む製品の販売を含む商業における加工および流通を禁止する、有害物質規制法(TSCA)に基づく化学フェノール、イソプロピル化リン酸塩(3:1)(PIP(3:1))(CASRN 68937-41-7)に関する規則を最終決定しました。EPAはまた、同日、2021年9月5日まで処理と配布の禁止を強制しないことを示す施行方針を発表しました。

FUJICHROME Velvia 100 Professionalフィルムの層内には、ごくわずかな量(0.0003%未満)のPIP(3:1)が存在します。富士フイルムは、FUJICHROME Velvia 100 Professionalフィルムに含まれる微量のPIP(3:1)は、環境へのリスクをもたらさないと考えています。

富士フイルムは、イメージングの世界的リーダーとして、持続可能な行動を取り、すべての国の規制を遵守することに取り組んでいます。そのため、富士フイルムは米国でのFUJICHROME Velvia 100 Professionalフィルムを直ちに廃止します(2021年7月6日)。
 
FUJICHROME Velvia 100 Professionalフィルムを購入した場合は、付属の安全データシートを注意深くお読みください。'

 

(原文)

PIP (3:1)規制

2021年9月5日(日)までは、米国の写真用フィルム販売店などでベルビア100を購入できるが、以降は入手できなくなる。PIP (3:1)を含む製品は、電気電子機器のPVC(ポリ塩化ビニル樹脂)製のケーブルなどに難燃性可塑剤として広く用いられている物質で、電機業界を含む産業界から意見書を集めてなんとか9月まで延期できた模様。

その他、「PIP (3:1)を使用する写真印刷用品」または「PIP (3:1)を含む写真印刷用品」が2022年1月1日、「PIP (3:1)を含む接着剤及び封止剤」が2025年1月6日から適用となる。本最終規則を遵守しない場合は、重い刑罰が科される。
 

適用時期

  • PIP (3:1)を含む製品/成形品 - 2021年3月8日〜
  • PIP (3:1)を含む写真印刷用品 - 2022年1月1日〜
  • PIP (3:1)を含む接着剤及び封止剤 - 2025年1月6日〜
 
商業における加工および流通」とあるので、旅行などの個人用途でアメリカに持ち込む場合は問題ないでしょうか。今後、富士フイルムが米国向けにPIP (3:1)を排除したベルビア100を開発してくれるかどうか。フィルムの値上げや一部製品の販売終了に加えて米国の売り上げが下がるとなると、フィルム市場は益々厳しくなっていくでしょう。
 
ただ、今も写ルンですやフィルムカメラが若い人たちに人気とのことですから、あまり悲観的になりすぎるのもよくないかも?

 

 

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