OM-D E-M5を購入してから主に子供達を撮影してきたが、「ここだ」と思ってシャッターを切っても狙った顔が記録されていないことがある。内蔵EVFのフレームレート設定である程度は改善できるようなのだが、具体的な数値が公開されていないので、どうもスッキリしない。そこで、内蔵EVFのフレームレート設定でどの程度改善されるのか、従来の一眼レフと比べてどの程度の遅延が発生しているのか検証することにした。
検証方法
こちらの検証方法を真似させて頂きました。
検証方法は至ってシンプルで、iPhone/iPadのアプリ「StopWatch」を使用して、OM-D E-M5とiPadを同時に撮影する。何枚か撮影して測定結果に違いがある場合は平均を出すことにする。20枚ほど撮影したところ、有機ELモニターの表示遅延は約30msという写真が何枚も記録された。
有機ELモニターの表示遅延はNEX-7と同等か |
OM-D E-M5のレリーズタイムラグは、約50ms。有機ELモニターの表示遅延を合計すると約80msということになる。これはE-420/E-520のレリーズタイムラグと同等という結果になった。(TдT)アレー
まさか内蔵EVFの設定を標準にすると、有機ELモニターの設定も変わるのだろうかと再度テストを行ったところ、、、なんと約70msの遅延が記録された。
内蔵EVFの設定が有機ELモニターと連動しているとは夢にも思うまい |
整理すると以下のようになる。
<内蔵EVFのフレームレート設定:高速>
- レリーズタイムラグ :約0.05秒(公式)
- 内蔵EVF&有機ELモニター:約0.03秒
合計 約0.08秒
<内蔵EVFのフレームレート設定:標準>
- レリーズタイムラグ :約0.05秒(公式)
- 内蔵EVF&有機ELモニター:約0.07秒
合計 約0.12秒
(参考情報)E-420/E-520のレリーズタイムラグ:約0.08秒(公式)
この測定結果から、内蔵EVFのフレームレート設定を高速にすれば、ライブビュー撮影でもE-420/E-520と同等の撮影が可能であることが分かった。フレームレート設定が標準の場合は、約120msの遅延が発生する。これがライブビュー撮影時の遅延の原因ということになる。
デジタル一眼レフのレリーズタイムラグ(OVF機のみ)
最近の機種を中心に調査してみると、EVF高速モードのOM-D E-M5はエントリークラスのデジタル一眼レフと同等であるようだ。Nikonのエントリーが遅い理由は分かりません。
- D800 約0.042秒
- D7000 約0.052秒
- EOS 5D Mark III 約0.059秒
- E-5 約0.06秒
- E-620 約0.07秒
- EOS KISS X6i 約0.075秒
- E-420/E-520 約0.08秒
- D5100 約0.1秒
- D3100 約0.2秒
ミラーレス一眼のタイムラグ(レリーズ+液晶)
各社レリーズタイムラグは公表するようなので、購入する際は背面モニターが遅延の少ないタイプか否か、フレームレートの設定があるかどうかがチェックポイントと言えるでしょう。
- NEX-7 約0.05秒(0.02+0.03)
- OM-D E-M5(EVF高速) 約0.08秒(0.05+0.03)
- OM-D E-M5(EVF標準) 約0.12秒(0.05+0.07)
- J1 約0.14秒(0.08+0.06)
ということで、OM-D E-M5のマイセットを全て高速にしたのは言うまでもありません。これでバッテリーの消費が激しくなるのかどうかは、また別の機会に検証したいと思います。
その後。(2013年5月21日更新)
最終的に私は、フレームレートの設定は全て標準に戻しました。殆どの被写体は予測してシャッターを切る方が確実なのと、最大1時間のバッテリーの差は大きいと感じたためです。もちろん、ここぞという動体の撮影時には高速に設定します。ご参考まで!