2011年2月16日水曜日 更新:

フォーサーズ用フラッシュ「Di466」撮影のコツ

外部フラッシュのDi466を購入してからもうすぐ半年になる。まだまだ使いこなせていない状態なので、結婚式での撮影を振り返りながら、色々とDi466について調べたことを記録しておこうと思う。

ガイドナンバー

Di466のガイドナンバー

  • 33 (ISO100、照射角53mm)
  • 18 (ISO100、照射角12mm)


Nissin のサイトやマニュアルのはじめに記載されているガイドナンバー(以下、GN)は、フラッシュの性能を表す単位である。GNは、距離(m) と絞り(F値)を掛けたもので、GNをF値で割れば撮影できる距離を算出できる。

標準レンズキットの場合は、開放時に5.7〜5.3mまで対応できるということになる。また、ISO感度を上げると撮影距離を伸ばすことができる。ISO100を1とすると、ISO200で1.4倍、ISO400で2倍になる。

  • 広角端:14mm F3.5 - GN20/F3.5 = 5.7m
  • 望遠端:42mm F5.6 - GN30/F5.6 = 5.3m



フラッシュの性能比較

フラッシュの性能比較は、同じ照射角で行う。オリンパスのFL-50R、FL-36RとDi466を並べてみると、値段相応の性能であることが分かる。

  • FL-50R GN50(ISO100, 42mm) - GN28(ISO100, 12mm) 
  • FL-36R GN36(ISO100, 42mm) - GN20(ISO100, 12mm)
  • Di466  GN30(ISO100, 43mm) - GN18(ISO100, 12mm)



照射角

  • 照射角12-53mm (内蔵ワイドパネル使用時9mm)


照射角は撮影できる光の角度のことで、基本的にレンズの画角より大きくなければならない。バウンス発光時の照射角は、50mmに固定される。上方にフラッシュヘッドを向けるため、撮影できる距離は通常より少なく見積もる必要がある。製品マニュアルには光量不足を解消するために、ワイドパネルの収納を推奨している。

室内練習で「バウンス発光+ワイドパネル」の写真が最も自然に撮れていたので、友人の披露宴でもこの組み合わせの撮影を重視した。その結果、光量が不足して暗い写真を量産することになってしまった。Exif情報をみると、暗い写真は全てISO100-200で撮影されており、同じ場面でも自動的にISO400で撮影された写真は明るく綺麗でノイズも目立たない。バウンス発光時は、ISO感度を少し上げて撮影した方が良かった。


 

電源

  • 単三型電池4本、発光回数200-1500回

Di466の電源は、単三型電池4本を使用する。アルカリ電池よりもニッケル水素電池(eneloop)の方が発光間隔を短縮できる。各フラッシュの発光回数および発光間隔は、以下の通り。

  • FL-50R 発光回数 200回 発光間隔 約4.0秒 (FULL, ニッケル水素電池4本) 
  • FL-36R 発光回数 200回 発光間隔 約5.5秒 (FULL, ニッケル水素電池2本) 
  • Di466 発光回数 200回 発光間隔 約3.8秒 (FULL, ニッケル水素電池4本) 

この発光回数と発光間隔は、最大GNで撮影した場合の値を表している。Di466 をTTLオートで使用すると、チャージで待たされることは滅多にない。結婚式には予備バッテリーを持参したが、交換の必要は無かった。Di466は、発光回数も発光間隔もそれほど神経質になる必要はない。



キャッチライトパネル(内蔵)

バウンス撮影時に近距離で使用すると、目に光が差し込み表情が明るくなる。キャッチライトパネル使用時は、フラッシュヘッドを上方90°に固定する。友人の披露宴では、3~4枚ほどポートレート撮影の機会があり、キャッチライトパネルを使用した。室内練習では、肌が反射してしまい光量の調整が難しいと感じていたが、白飛びもなく綺麗に撮影できた。こちらもISO感度は400で撮影されていた。


撮影体制 

披露宴は、2台体制で挑んだ。

  • E-420 + ZD 14-42mm F3.5-5.6 + Di466(人物、風景)
  • E-520 + ZD 35mm F3.5 macro(料理、小物)
当初はE-520にフラッシュを付けようと考えていたが、悩んでいるうちに新郎新婦入場となり、まずはE-420にDi466を取り付けた。被写体まで移動不要の標準ズームレンズ14-42mmでの撮影がとても便利で、最後までE-420メインの撮影となった。

E-520 + ZD 35mm F3.5 macroで撮った料理は鮮明に写しだされていて、背景ボケも綺麗。出席者も数枚撮っていて、会場の雰囲気をそのまま切り取っている感じが良い。しかし、フラッシュ無しだと被写体ブレも目立つ。

テーブルが多い会場では画角の調整も難しいため、結果的に静止している料理・小物中心の撮影となった。E-420とE-520で撮影した写真をみると、オーバー/アンダー気味の写真が入り乱れており、全体としては統一性がない。1枚1枚画像編集ソフトで明るさを調整して最良のものを新郎新婦に渡したつもりだが、披露宴では前述したISO400に固定して撮影すべきだった。

式場カメラマンは、こまめにフラッシュやカメラの設定を変えながら1枚1枚撮影していた。その気配りが良い写真を量産できる秘訣なのだと思う。


製品マニュアル



2014年6月12日更新

Di466より37g軽くなって水平方向360°の首振り、FP発光に対応したNissin i40が発売された。性能順に並べると以下の通り。時の流れは残酷である...

No.

メーカー

製品名

望遠端

広角端

金額

1

OLYMPUS

FL-50R 

GN50(ISO100, 42mm)

GN28(ISO100, 12mm)

42K¥ 

2

Nissin

i40

GN38(ISO100, 43mm)

GN22(ISO100, 12mm)

21K¥

3

OLYMPUS

FL-36R

GN36(ISO100, 42mm)

GN20(ISO100, 12mm)

19K¥

4

OLYMPUS

FL-600R

GN36(ISO100, 42mm)

GN12(ISO100, 12mm)

24K¥

5

Nissin

Di466

GN30(ISO100, 43mm)

GN18(ISO100, 12mm)

10K¥