子供が生まれてから今日まで、小型のデジタル一眼カメラを使って子供達のハッとした瞬間を捉えることだけを心掛けて撮り続けてきました。写真の世界を調べてみると、この撮影手法にちゃんと名前が付いていて、「スナップ写真(早撮り写真)」と言うんだそうです。
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ライカM3 1954年 |
そして、そのスナップ写真をまるで映画のワンシーンのような芸術作品に仕上げてしまう2人の天才がいました。フランスのアンリ・カルティエ=ブレッソンと日本の木村伊兵衛(きむらいへい)。小型カメラを使用して居合い抜きのように日常の一瞬を切り取る。2人の新しい表現手法は、現代写真に大きな影響を与え、今も多くの人々に愛されています。
アンリ・カルティエ=ブレッソン(1908~2004)
- 画家経験のあったブレッソンは絵画の黄金分割を写真に取り入れて芸術性を高めた。代表作は「決定的瞬間」
- カメラを相手に意識させない方が良い写真が撮れると考え、シルバーボディのライカM3を黒いテープで隠して撮影していた。
- 生涯愛用したレンズの焦点距離は50mm。レンズが体の一部として感じられるまでとことん腕を磨いた。
- カルティエ=ブレッソン - ほぼ日刊イトイ新聞
木村伊兵衛(1901~1974)
- ブレッソンと同じように演出なしで自然な写真を好んで撮影した。人間のふれあいや日常の延長上の表情や仕草を豊かにとらえた。代表作は「板塀」
- 写真をうまく撮る秘訣はカメラを手から離さずにいること。
- 「木村伊兵衛のパリ」は、木村伊兵衛が1954-55年に渡仏してブレッソンと交流した頃の作品。