2024年10月3日木曜日 更新:

iOS18: OM-1で撮影した山写真をHDR現像する

iOS18/macOS Sequoiaアップデートで、最新のAdaptive HDRに対応しました。従来の煩雑なプロセスが不要になり、ワンクリックでハイダイナミックレンジを活かした美しい画像を得ることが可能です。

HDR画像対応デバイス

iOS18/iPhone 15, 15 Pro以降は、最新のAdaptive HDRに準拠したHDR画像を撮影することができます。Apple MacBook Pro/Airは、2018年以降に発売されたモデル。iPhone/iPadは iOS11 以降であればHDR画像の鑑賞を楽しめます。

その他デバイスの対応状況は、Appleの公式資料をご確認ください。


Pixelmator Proの入手


Pixelmator ProのHDR画像表示およびHDR形式ファイルのインポート/エクスポート機能は、2023年12月に搭載されました。これまでは写真の中に太陽などの強い光があると強調しすぎる傾向があり、ほぼ未使用でした。実は、以下の手順を踏む必要があった。
 

HDR画像出力手順

  1. (重要)外部モニターがHDR未対応の場合は内蔵ディスプレイにPixelmator Proを移動します
  2. Pixelmator ProでORFファイルを開く
  3. Pixelmator Proの画面右上のHDRボタンをOnにします
  4. 必要に応じてシャドウ、明度、トーンカーブなどを調整する
  5. ファイルの書き出しでHDR JPEGまたはHDR HEICを選択して出力します


もちろん、手順2で「DxO PureRAW」のDNG変換したファイルを読み込んでもOKです。

従来のSDR(スタンダードDR)液晶ディスプレイと、HDR液晶ディスプレイが混在している場合は、たとえSDR画面で空が「白飛びしている」写真だとしても、事前にRAW編集で調整する必要はなかった。Pixekmator ProをHDRディスプレイに移動したあとに[HDR]ボタンを押すだけで、色彩豊かで立体的な写真に切り替わります。
 
HDR表示に切り替えたあとも地上の風景がアンダーのときは、シャドウと明度を調整する。太陽など強い光がある時はトーンカーブを調整すると、従来のSDR-JPEGでは表現する事が難しかった「奥行きのある」写真にすることができます

明暗差の大きい写真であっても、非常に簡単に写真を現像できるようになった。
 

HDR画像の保存形式

  1. HDR HEIC(ヒークと読む)
  2. HDR JPEG ※macOS SequoiaのSDR変換より劣る
  3. HDR AVIF ※アプリによって未対応
  4. HDR PNG ※容量肥大(約90MB)

Pixelmator Pro Ver.3.6.9は上記2〜4の問題があり、保存形式としてお勧めできるのはHEIC形式のみです。→Pixelmator teamにHDR JPEGの改善を提案しました(10/15)


おすすめはHDR HEIC形式

4つのHDRフォーマットを検証した結果、HDR表示画面のまま出力できるのは、HDR HEIC形式だけでした。しかもHDR HEIC形式は、従来のHDR非対応のSDR液晶ディスプレイでもHDRの再現性が高いです。これは最新のトーンマッピング技術によって実現しています。(2024、WWDC

OM-1のJPEG撮って出しと比較すると、HDR HEICの方が圧倒的に綺麗です。現在、HDR HEIC形式は、Google フォト, iCloud Photos, Flickrどれも未対応のため皆さんにお見せできないのが残念です。XはHEICをアップロードできるが、JPEGに自動変換されます。

最新のmacOS Sequoiaを使って、HEICファイルをできるだけ劣化しないようにSDR変換してみたので、雲の立体感の違いなどが伝わると良いのですが。。。。
 
OM-1 JPEG撮って出し


P9050348-ORF
OM-1 HEIC(SDR変換)

フルスクリーンでHDR HEICの写真を見ていると、山頂に到達したときの感動が蘇ってきます。元々、カメラのRAWファイルには非常に広いダイナミックレンジ(12〜16bit)の情報が含まれているが、従来のSDR規格のJPEG(8bit, 約1677万色)では、その実力を引き出せていなかったのだ。

それが、最新のHDR技術によって、たった1クリックでハイダイナミックレンジの色再現(10bit, 約10億7374万色)が有効になるのです。HDR規格は標準化され、広く普及していくことが予想されます。映像や写真の表現を劇的に向上させるため、対応デバイスが増えていくことで、HDR HEICはより一般的なフォーマットとして認知されていくのでしょう。

(おまけ)Windows の HDR 設定

ウィンドウズではどこかなと調べてみると、設定>システム>ディスプレイ>Windows HD Color 設定から液晶ディスプレイがHDR対応かどうかを確認できる。

HDR HEIC形式の読み書きは、Microsoft Storeから「HEIF画像拡張機能」をインストールする。HDRビデオは「HEVCビデオ拡張機能」を120円で購入すると再生できるようになるが、動画再生プレイヤーによってはHEVCコーデックが同梱されている場合もあるようです。

既にHEIF(ヒーフと読む)に対応するデジタルカメラも存在する。しかし、今回HDRが進化したといっても人間の目にはまだまだ敵わない。撮影時は、圧縮されたHEIFやJPEGと一緒にRAW形式を保存しておくと安心だ。

HEIF対応カメラ
  • ソニー:α7S III, α1, α7 IV, α7R V, α7C II, α7CR, α9 III
  • キヤノン:EOS-1D X Mark III, R5, R6, R3, R6 Mark II, R8, R5 Mark II, R1
  • ニコン:Z 8, Zf, Z6III
  • 富士フイルム:X-H2S, X-H2, X-T5, GFX 100 II, X-T50, GFX 100 II

 

12年前のデジタル一眼カメラ「OM-D E-M5」のRAWデータでもHDR現像できました。JPEGだとダイナミックレンジが非常に狭くて、これがマイクロフォーサーズの限界と思う人がいても不思議ではない。ORFで撮影しておいてよかった。。。。

E-M5 JPEG撮って出し

E-M5 HEIC (SDR Conversion)
E-M5 HEIC(SDR変換)


E-M1 Mark II JPEG撮って出し

OM-D E-M1 Mark II (SDR-Conversion)
E-M1 Mark II(SDR変換)


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