2025年9月1日月曜日 更新:

OM SYSTEM 映像事業の噂

9/1、OLYMPUS/OMDSの業績を一覧表にしました。

噂 

  • 映像事業の19/3期売上は487億円、営業利益は▲183億円。売上は7期連続の減少で12/3期から62%減少しており、営業利益も11/3期以降、ギリギリ赤字を回避した17/3期を除いて営業赤字が続いています」(19/6/22、strainer) 
  • 売上⾼は、436億円、為替の影響を除くと前年⽐8%減少しました。営業損失は、104億円、為替の影響を除くと81億円の改善です。前年同期に計上した⽣産拠点の
    再編に伴う費⽤が今期は発⽣していないことに加え、販管費の効率化等が奏功しました
    」(20/3、オリンパス) 
  • 2024年のOMデジタルの営業利益は▲12億円で赤字継続。しかも改善傾向にあった営業利益が悪化しています」(25/8/30、デジカメライフ

 

 OMデジタルの業績推移

 

年度

売上高(億円)

営業利益(億円)

主なボディ

主なレンズ

26/3

 

 

OM-3, OM-5II

M.50-200mm, 100-400mm II, 17mm II, 25mm II

25/3

366

 -12.4

OM-1II, E-M1III ASTRO

M.150-600mm, 9-18mm II

24/3

292

-2.1

E-M1III R, E-M1X R, TG-7

M.90mm F3.5 Macro

23/3

282

-6.4

OM-1, OM-5

M.12-40II, 40-150mm F4 

22/3

219

-18.5

E-P7

M.150-400mm, 8-25mm

21/3

33

-17.7

E-M1III, E-M10IV

 

20/3

436

-104

E-M1X, E-M5III

 

19/3

487

-183

 

 

18/3

603

-12

E-M10 III

 

17/3

656

5

E-M1II, PEN-F

M.12-100mm, F1.2シリーズ

16/3

783

-21

E-M5II, E-M10II

M.300mm F4

15/3

838

-136

E-M5.1, E-M10 

M.40-150mm F2.8

14/3

961

-92

E-M1, E-P5

 

13/3

1076

-231

E-M5

 

12/3

1286

-106

E-P3

 

  • 「50-200mm F2.8 PRO」、「300mm F4 PRO」、「150-400mm」など、野鳥・自然層向け望遠レンズがブランドの生命線。大口径・高価格帯のPROシリーズが出た年度は売上が底支えされる効果が見られる
  • 「12-100mm」、「90mm Macro」は、他社にはない仕様で高単価・高利益率を狙える独自商品。
  • OLYMPUSの赤字は「売上不足」というより「研究開発+販管費の重さ」に要因があった。
  • OMDS体制より販管費のスリム化や販売チャネルの効率化もあり、利益率は 10%台に回復。


ユーザーの声

以下、海外フォーラムの興味深いコメントを集めてみました。


  •  「OMDS、パナソニック両社ともハイエンドモデルの販売に頼ろうとしていますが、これでは新規購入者にとって選択肢が不足してしまいます。既存ユーザーが離れていくと、Proユーザーも不足し、販売継続が困難になるでしょう」 
  • 来年はOM-10とPENの何らかのモデルをリリースし、人々が本格的なカメラを日常的に使い始めるための「基礎」を確実に構築する必要があります。これらの新製品に防塵防滴機能を搭載しつつ、価格を真の「エントリーレベル」に抑えることができれば、彼らが展開している「アウトドアアドベンチャー」戦略は成功するだろう」 
  • 私は現在 E-M1 Mark II を 2 台持っていますが、1. テザー撮影が可能で、2. クリップやスリングストラップで使用できる頑丈な三脚ソケットを備えた OM-5 が登場するまでは、新しい MFT カメラを購入するつもりはありません」 
  • DJI と Panasonicはファームウェア (実際にはアップデート) を頻繁にリリースしており、それが自社製品への関心を高めています。これが現代のやり方です」  
  • 興味深いことに、TGシリーズは売上全体の約20%を占めており、かなり好調のようです。アウトドア志向の高まりは、それほど的外れではないのかもしれません」 

 

今後は撮像センサーだけではなく、アウトドア向けのCP機能強化やボディ・鏡胴の軽量化素材にこだわりを持つなど、「登山・冒険・野鳥撮影といえばOM SYSTEM」というブランドイメージをいかに高めていくのか、多くのOMファンが注目しています。

 

 

更新履歴

  • 2020/6/25、「OLYMPUS映像事業の噂」の記事公開。 
  • Appleが「MacもARMへ」を宣言した2日後の2020年6月24日(水)、オリンパスは映像事業の分社化を発表しました。


  • オリンパス終了:
  • 直近のフォトパスサービス終了の発表の際は、「またいつもの閉店セール商法か」と呑気に考えていたが、オリンパス名義としての映像事業は本当に終了してしまうのです。
  • 近年は、流行に一切乗らない会社でした。高級コンデジ、フルサイズ一眼など市場が望んでいる製品を発売せず、二番煎じはやらないという誇りとOMの歴史に縛られて身動きが取れないようにも見えました。「マイクロフォーサーズ一本で行くんだ」という強い意志にユーザーとしては納得し始めていただけに、この発表に戸惑う人は多いのではないだろうか。
  • 今後のスケジュール: 
  • 2020年  6月30日(火):オリンパス ポイント付与サービス終了
  • 2020年  9月30日(水):日本産業パートナーズと最終契約を締結
  • 2020年10月  9日(金):新会社「OMデジタルソリューションズ株式会社」設立
  • 2020年10月22日(木):新会社による新会員制度、新サービスの発表
  • 2020年12月21日(月):フォトパス ポイントの使用期限日、年会費無料キャンペーン終了日
  • 2021年  1月  1日(金):新会社による営業開始
  • 2021年  1月  7日(木):公式Instagramアカウント「OM PHOTO」開設
  • 2021年  1月  7日(木):新コミュニティサービス「ズイコーフレンドクラブ」開設
  • 新会社が継続するサービス(予定) from Olympus news:
  • オリンパス名のブランド(一定期間)
    • オリンパス オンラインショップ
    • オリンパス カレッジ(写真教室)
    • オリンパス ズイコークラブ
    • オリンパス ギャラリー

  • OM-D、PEN、ZUIKOブランド 
  • ICレコーダーや双眼鏡の販売
  • カスタマーサポート
  • オリンパスは、映像事業の不採算分野の見直し後に分社化すると説明しています。今後、上記サービスがすべて残るかどうかは不明ですが、写真・カメラ専門の新会社が2020年秋に誕生するということです。
  • 譲渡先は?:
  • 譲渡先のJIPは、日本の企業風土を尊重しつつ時代の要請に合致した新たな事業・産業を構築・支援することを事業目的とした会社で、ソニーから独立した「VAIO」を復活させたことで有名です。
  • 他のカメラメーカーが他事業に活路を見出す中で、時代に逆行するような決断ですから逆にそれが強みとなるのか、写真・カメラファンの1人として注目していきたいと思います。
転んでも泣かない・・
  • 新会社名は?
  • 株式会社ズイコー、ZUIKO、瑞穂光学 というのは昔からのファンとしては当然候補として考えるのだが、アウトドア系に強い製品や「辰野クオリティ」など長野県にゆかりがあることから山岳用語から取ってくるのもアリ。 →新会社名は「OMデジタルソリューションズ株式会社」に決定!
  • ペンタ部などのOLYMPUSロゴはOM-DやPENとセットなので、数年レベルで継続するような気がするが、 新機軸の製品には「LUMIX」のような新ブランド名を冠する可能性は高い。


  • 以前、「日本のカメラ・写真業界の未来」を書いてしまったことがあるが、更に突き詰めると写真は情報伝達の手段の1つだったということ。だからそれに特化したスマートフォンに駆逐されるのは当然の結果だと思う。
  • スマートフォンメーカーとライセンス契約を結んでいるライカや、画像センサーを供給するソニーはしたたかです。LEICAやソニーブランドの宣伝になるし、「いつかはLEICAまたはソニーのカメラを買おう」となる。今は、スマートフォンからのステップアップの道すじを作っているメーカーが一番強い印象。( BCN+R )
  • 次にチェキや写ルンですのある富士フイルムが成功しているイメージだが、オリンパスはPEN、OM-D E-M10、TOUGHシリーズと上位機種の性能差が少ないように見える。もっと低価格で、みんなが欲しくなるPENカメラが必要なのかも。例えば子供向けのPENとか。もちろん、「ニンテンドー3DSカメラ」で散々遊んでる子供たちに勝負できる本格的な仕様で。
  • オリンパスのチャート:
  • 分社化の発表直後は急伸したが、翌日「今後のサポート継続」をアナウンスすると6/26には急下降。マネーゲームに振り回されないように気をつけなければなりません。でも、医療一本に絞ったオリンパスは強そうだ。




  • メーカー主導の人が集まる仕組みづくり
  • カメラメーカーの次の一手は、会員制度の導入によるユーザーの囲い込みだろう。これまでもそういった取り組みは行われてきたが、+αの仕組みづくりが重要になってくる。
  • 趣味層向けには、写真を投稿するメリットを増やす。良い写真には投げ銭や写真素材として販売できる仲介サービスなど。評価が高まれば、カメラマンとして地域の結婚式や運動会の撮影依頼のマッチング、オンライン写真教室の開催など、小遣い稼ぎから仕事の斡旋までを会員サイトで支援できるところに人が集まるのではないか。
  • 製品開発は、ユーザー体験型のサービスを充実することで顧客満足度を向上する。オーナーズケアプラスは従来のサービスに加えて、工場見学ツアーや組み立て・修理作業風景のライブ配信の視聴券などオンラインコンテンツを増やしていく。(キヤノンイメージゲートウェイ
  • 過去30件投資をする中で破綻したケースはない。業界ではなぜ苦境にある映像事業に投資するのかという声はあるかもしれない。しかし、世の中がそう思っているからこそ、気がついていない強みがある
  • 成功のカギは、独自の特徴、技術に焦点を絞ること
  • オリンパス社内では見えていなかった映像事業の特徴を精査し、どの市場で特徴が生きるか見極める
  • 市場に合う規模や体制に作り変え、身軽に挑戦できるようになれば、縮小するデジカメ市場のなかでも強みが生きてくる
  • 小型・軽量、手ブレ補正の性能の高さなど多々あるが、その裏側にある技術はマイクロフォーサーズというセンサー
  • 中長期的視点では、動画に特化したコンシューマー商品や、監視カメラなどビジネス向けまで多様な市場も視野に入れている。現状のオリンパスのカメララインナップを超えて挑戦を繰り返すことで、最適な市場を見つける必要がある
  • 主力市場である欧州など海外販売は続ける方針
  • ベトナムの主力工場を残すなど、ファブレスにする予定はない
  • 独自の特徴・技術力があることはもちろん、オリンパスの竹内康雄社長らトップが事業を継続できる形で送り出したいという意思があり、また現場の人たちも技術について熱意を持っていることがわかった。だからこそ買収を決めた
  • 大企業からのカーブアウトで課題になるのは、カーブアウト先に研究開発人材がついてこないこと。この件に関してはオリンパスと交渉中 
 

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