2015年4月18日土曜日

色収差付きレンズと上手に付き合う方法。

色収差(いろしゅうさ)とは、被写体の輪郭などに発生する色にじみや色ずれの事で、主に特殊分散ガラス(以下、EDガラス)の無いオールドレンズで起きやすい現象です。百聞は一見に如かずで、まずはこちらの写真を御覧ください。

OM-D E-M1 + ZUIKO 135mm F3.5

この写真の木の枝葉の至るところに紫色の縁取りが出来ています。これが色収差という現象で、照明や太陽が背後にある被写体を開放で撮影すれば簡単に発生させる事ができます。この現象は、EDガラスを使うことで直すことができます。オールドレンズは色収差が盛大に出ます。写真編集アプリで補正したり、有名なUVカットフィルターを試してみたりしました。その結果を次の記事でご紹介したいと思います。

◆色収差補正アプリあれこれ

撮影後に見つかった色収差写真の修正は、色収差補正アプリが必要になります。最初に試したのはアドビの「Lightroom 5」で、修正した結果が以下の写真です。

43DC_Labさん(@456_photo)が投稿した写真 -



「色収差を除去」を実行後、残った箇所を「フリンジ軽減」でスポイトでちくちく修正して、完全に消し去ることができました。おそるべしLightroom。でも体験版なので、1ヶ月で使えなくなってしまった(爆)続いてニコン Capture NX2シリーズ、GIMP用プラグインのPurple Fringe Fixを試しましたが、ZUIKO 135mm F3.5の色収差を完全に消し去ることはできません。Darktable、このアプリの色収差補正機能はまだまだでしたが、E-M5 Mark II 正式対応を謳っているので無料のRAW現像ソフトとして今後に期待します。

◆魔法の設定

無料アプリの中ではGIMPのプラグインが最も除去率が高いです。以下、ZUIKO 135mm F3.5の色収差を一発で除去できる魔法の設定です。*GIMP2.8.14のRAWファイル(ORF)の読み込みは画像が壊れてしまうので現時点ではJPEG限定です。


◆GIMPとPurple Fringe Fixの設定内容
  • GIMP 2.8.14
  • Purple Fringe Fix 
  • プラグインのインストールはGIMPメニューからPreferencesを起動してFoldersの中にScriptsという項目があるので、そこに記載されているフォルダにファイルを置くだけ!
  • ZUIKO専用お勧め設定はScript-FuメニューからPurple Fringe Fixを起動して、上から10, 1, −100, −100, -100, -100, Flatten Image: ON。Jpegに保存はFile/Save for Webです。

◆フィルター効果は色収差に効く?

UVカッ トフィルターやC-PLフィルターが色収差に効果があるとか、F値を絞るといいよとかインターネット上には多くの情報が出回っています。一見、効果がある ように見えますが、所有するオールドレンズは全て通用しませんでした。更にOM-D E-M1のカラークリエーターやアートフィルター、RGB調整などカメラの設定で回避できないか色々試してみたのですが、結果は変わらず。ただ、オールド レンズの味を強調するという意味で、「ビンテージ」は使えるかもしれない。

オールドレンズのフリンジ


◆色収差の原因

光 は、RGB(赤、緑、青)で出来ていて、それぞれの波長が異なる特徴を持つ。 レンズに入射した光は異なる角度で屈折してしまうため、光が分散して色収差の原因となる。そこで、各レンズメーカーは、色消しレンズや特殊分散ガラスと いった低分散特性を持つレンズを複数配置して色収差を補正するようになりました。この技術が確立したのがデジタルカメラの時代になってから。そのため、 オールドレンズには色収差が大きく出るものが多い。

◆撮影時の工夫で回避

イラストの世界では、色収差加工が流行っているそうです。また、自分自身も写真を始める前は、太陽入りの写真はゴーストが入るのが当たり前だと思ってました。そういう写真を撮りたいときに オールドレンズは、ぴったりです。ZUIKO 28mm F3.5なんて画面に虹が出ることもあります。

OM-D E-M1 + ZUIKO 28mm F3.5

では、晴天時に綺麗に撮りたいときはどうするか。これは、ちょっと立ち位置を変えたり、ピント位置を変えるだけで色収差を軽減できる場合があります。あと、これは完璧に補正できているわけではありませんが、この記事のように他のレンズを付けるという技もあります。

TCON-17X装着で大幅に軽減。

おそらくTCON-17Xは色消しする作用が働いているのか、ピント位置によって非常に素直な描写に変わります。


MC-14は色収差消えず。

普段は弱点が多いオールドレンズですが、撮影者の工夫次第で最新型のレンズに匹敵する写りにすることもできる。これがオールドレンズによる撮影の面白さだと 思います。そして、MF撮影の支援機能があるOM−Dは、オールドレンズでの撮影をより豊かにしてくれることでしょう。

◆参考文献